第17話 雷切
礼華の対応は早かった。
俺の作ったバトルスーツ:ガーベラと、ダンドリオンを次の日から大量に生産した。
わずか2日でその総数は1000を超え、さらに次の日には試験的に日本軍内での演習に使用された。
ジパングとの停戦協定のため、日本軍は1ヵ月なにもできない状況だ。
なので兵器開発、兵力の増強、1ヵ月後の作戦会議に労力が費やされた。
そして俺はその間、さっそくゲシュペンストを探すことにした。
「2人に折り入って話がある」
俺は四条さん、礼華を会議室に召喚した。
厳密に言うと、礼華の部屋である総司令室に、だ。
「大事な話がある、って何?兄さん。しかも私の部屋で」
「礼司さん…ようやく私と軍を抜けて結婚生活を…」
「礼華よ。この部屋は魔法力が遮断される。盗聴の危険もない。って言うのは本当だね?」
俺は四条さんの惚気を一旦無視して話を進めた。
「ええ。軍の最高機密を扱う部屋だから。情報の安全性は軍でも最高レベルの部屋よ」
「よし、今から話すことをとりあえず聞いてくれ」
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
礼華ちゃん。何そのクソデカため息。あなた確かお嬢様だったのでは?
「兄さん。本当にその話を信じるの?」
「ゲシュペンスト…正直そんなものがいるとは信じ難いですが…」
「まぁ、みんなそう思うよね。俺もそう思うわ」
「あのリリーが兄さんに吹き込んだ嘘だっていう可能性は?っていうか、分かってはいたけどあの女。。私の兄さんと文通してたなんて。。。」
「そうですよ礼司さん!!私と言う婚約者がいながらなぜそのような女と!!!!1111」
「なんで君たち怒るポイントがそこなの?」
黙って敵と内通してたこととかさ、スパイのようなことしてたこととかを怒るよね普通??
「と、とにかく。俺もわからんからゲシュペンストをとりあえず探したい。見つかったらそいつを倒す。見つからなかったらリリーにいないやんけ!って責める。これでどう?」
「うーーん、、、異論はないけど…そもそもどうやって探すか、って感じね。まぁ普通に考えれば日本軍の上層部からガサ入れするのが手っ取り早いわよね」
「俺もそう思う。礼華が日本軍の偉い人に探りを入れて、それで怪しいやつを見張る、って感じがいいかなと」
「簡単に言ってくれるわねぇ。まぁ…やり方次第ではありそうだけど」
「さぁーっすが礼華ちゃん!」
「ちゃん付けはやめて!!!やめろ!!!!!!」
とりあえず日本軍内の中で協力チームを作ることには成功した。
よーし、あとは鬼が出るか蛇が出るか。まぁ出ないことに越したことはないんだが。
「俺は君たち2人が一番信頼できると思ってこのことを話した。なのでくれぐれも内密にお願いしたい。この噂が広がってしまうと色々動きづらくなる」
「もしゲシュペンストがいたら、逃げられる可能性もありますね」
「そうだ。だからまずは俺たち3人でチームを組んで行動する」
「せっかくですし、秘密結社的な名前つけるのはどうでしょう?」
「かっこいい名前を頼むわよ兄さん」
「ええー・・・?」
名前?このチーム、組織の?
「ら、
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