第16話 あなた天才だわ...
「はいー---------完成しました。作りました新兵装!!!!」
どかーん!と新たに開発した物たちを机の上にのせてドヤる俺。
ふっ、、そう、おれはやる気さえ爆発すればなんでもできる、、のよ!
「ええ~~兄さん、ほんとぉ?最高~!」
「礼華ちゃん、キャラ変わってるね」
「ノリを合わせてあげたんじゃない。あとその、ちゃん付けで呼ぶの気持ち悪いからやめて」
「ほう....」
「さぁ、ではその新兵装とやらを説明してもらいましょうか」
「まず、バトルスーツ。名前はガーベラ。日本兵の防御力を上げ、生還率をアップさせる。コストもかなり低い。ほとんど現状支給されている兵士の隊服と変わらない。すぐに大量生産できる」
「おお~~いいじゃな~い。防御力ってことは魔法力を防げたりするのかしら?」
「その通りだ。このスーツは霊脈魔法石からのエネルギー供給により、全身に魔法力を展開する。魔法力を浸透させる特殊繊維を使っている。軽くて安価な素材だ」
「エネルギー供給?それが必要ってことは行動の制限があるのかしら?」
「ある。あるが、ほとんど無いに等しい。戦闘時は、霊脈魔法石が周囲にある前提だからだ。霊脈魔法石が半径500m圏内にあれば、スーツは自動的にエネルギーを受け取る」
「それって不便じゃない?霊脈魔法石がない場合はどうなるの?」
「最大で2~3時間ほどは供給がない場合でもスーツにエネルギーを貯蓄し、稼働できる。意図的に魔法力の展開を切ることもできる。だから温存も可能だ」
「ふむ。まぁいいでしょう。かなり良い、ってわけではないけど悪くはないわね」
「このスーツを着ていれば、ジパングの魔法攻撃を被弾しても10発程度は耐えられる。かなり強力な魔法でないかぎり致命傷を与えるのは無理だ」
「へぇ~~それなら兵士たちも安心して前線に行けるわね。士気もあがりそうだわ」
ふふん、と誇らしげに俺は鼻を鳴らした。
まぁあれこれと考えてみたけどやっぱりこういう一見地味なものが喜ばれるのよ。
自分で戦っててわかったけど、自分の命を防げるものがあると安心するよね。
「それで、このもう一個の小さいのは何かしら?」
礼華は机にある、スーツのとなりの小さな機械ユニットを手に取った。
「よくぞ気が付いたな。これぞ、大大大発明のノーベル賞もののスーパーユニット。ダンドリオンだ」
「スーパーユニット?」
礼華は訝しげに小さいユニットを睨んだ。
ふっ、まぁわからんよな。こんなちっこいやつがすんごい機械だとは。
「これは、小型の魔法力変換ユニットだ。これを取り付ければ、あらゆるものに魔法力を流し込むことができる。しかも製造コストはたったの500円だ」
「ふーん?」
「分からないか礼華よ。このすごさが。低価格で、あらゆるものに流せるんだぞ。つまり、このダンドリオンをつけて魔法力を供給すればなんでもパワーアップできるってことやねん」
「......!!! えっ、本当に?それってすごすぎない?」
「だからノーベル賞ものだって言っただろ。ダンドリオンはガーベラのほうでも使われてる」
俺はバトルスーツ:ガーベラの背中部分にそのユニットが付いてるのを指さした。
「そして今回、このダンドリオンを日本兵士の持つ銃に取り付けられるようにした。支給されてるアサルトライフルのリアサイトにこれを取り付けると、自動的に霊脈魔法石からのエネルギー供給を受けられるようになる」
今度は、日本軍に支給されてる銃をとり、ダンドリオンを取り付けた。
そして銃を構え、遠くにある人型の標的に撃ってみせた。
ドッギャー――ン!
普段聞くことない不思議な音と発光を伴い、標的を魔法弾が貫通した。
ゼフィランサスほどの威力はないが、なかなかの威力だ。
「確かにこれはすごい発明ね」
「ダンドリオンは、エネルギー供給量を調整できる。次は供給量MAXで撃つぞ」
バッギャー――ー---ン!!!!!!!!!
標的どころか背後にある壁にすらでかい穴を開けてしまった。
それこそ、ゼフィランサスと同等の威力だ。
「こんなかんじで、状況に応じてエネルギー量を調整できる。ただ、MAXだと供給が多すぎるから、霊脈魔法石が枯渇するスピードが早まる。回数制限を設けるべきだろうな」
我ながらとんでもないものを作ってしまったな。
普通の銃を、かんたんに魔法の銃に変えられるオーパーツを作ってしまったのだ。
「兄さん」
「ん?」
礼華が唖然としている。
「あなた天才だわ...」
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