第15話 うぉ~ん、がんばるぞぉ~い
すまん、すごく大事なことを忘れ、、思い出した。
忘れてたわけではない。展開が怒涛すぎて混乱していただけ!
「礼司さぁー--ん!!!!!!!」
「おっ、待たせたな」
礼華から解放された直後、今度は九条さんからの熱愛タックルを受けた。
前橋市の日本軍駐屯地。
礼華司令官の部屋から出た俺に向かって、四条さんは全力ダイブしてきた。
「礼司さんが死んだら私も死のうと思ってました。けど、絶対生きてるって信じてたんです」
「さりげなく怖いこと言いますね」
「だって、あなたのいない人生なんて、、もう考えられない」
「うれしいこと言ってくれるじゃないの!」
愛が重い。
俺のほうが年下のはずなんだが、なぜか九条さんは俺に敬語使ってくる。
俺たち、もう恋人同士だし今後は将来のこと考えないとな!
九条さんと感動の再会を果たした後、結局また俺は研究室で缶詰になった。
礼華に兵士の低コスト新兵装を考えるのを再開してるのだが。
うーん、やっぱりなかなか思いつかないんよねぇ。
低コストで強く量産できるもの...。
東京の霊脈が発見されたわけだし、それを上手いこと使えればよさそうだが。
コンコン。
一人で考えていたら変な物音がした。どうやら窓からだ。
窓には一羽の鳩がいる。俺はそれを見てピンときた。
窓を開け、鳩の足に括り付けてある紙をとって広げる。思った通りなにも書いていない。
リリーから事前に定期的に鳩を飛ばすと連絡を受けていた。
鳩というから誰かが伝令を持ってくるのかと思っていたけど、まさか本物の鳩だとは。変なところが古典的だよなージパングって。
日本軍でのゲシュペンストを調査し、定期的にこの鳩を使って報告してほしいと頼まれている。
礼華が魔法での干渉をやめろって言ってたんだけど、これってセーフなのか?
微妙なところなんだが、まぁいいか。とうかそれより、目下俺にとってはゲシュペンストのあぶり出しが最優先課題なんだよなぁ。
一人じゃ動きづらいから、やっぱり協力できる仲間がほしい。
これもリリーから相談を受けてたときに考えていたことだ。
まずは日本軍内部でゲシュペンストをあぶりだす秘密組織を作り、そして王を見つける。
その後そいつを抹殺、もしくはジパングへ引き渡して日本とジパングの和平を実現する、、、うーん、ほぼ無理な目標だ。
頭が混乱してきたので、以下にもう一回俺のやるべきことをまとめるぞ。
1.日本軍内で武器を作り続けて身を潜める。できれば膠着状態を維持する。
2.その間に秘密組織を作り、ゲシュペンストをあぶりだす。
3.ゲシュペンストを倒すことのできる武器を作る。
4.王を見つけてなんとかして倒す。
5.日本とジパングの和平を実現する。
一応まとめてみたが、これ、リリーの話す内容が全部真実ならっていう話でもあるんだよなぁ。
リリーがジパングの優勢を維持するために俺に吹き込んだ嘘っていう可能性もある。
本当に疑心暗鬼になるんだが。あんなかわいい子がまさか嘘をつくなんて...!
けど、もし真実だった場合はやはりなんとかするしかない。
なので、ゲシュペンストが本当に存在するっていうことをまずは証明する。
存在しないってなった場合は...まぁその時考えるか。
とりあえず1ヵ月。1ヵ月探して見つからなかったらまたその時考える!以上!
「うぉ~ん、がんばるぞぉ~い」
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