第10話 これで国に帰れそうだぞぉ~

なんかもう、毎回戦場行く流れ嫌すぎるから端折るわ。。


ディオスの強制的な命令によって、俺はジパングの埼玉と群馬の県境前線に送られた。


「お前が前線にいたほうが、なにか武器に不具合があった場合に対処しやすい」


とのこと。


いやだから、、、武器を発明する人間が戦場にいるって、おかしくない?そういうものなの??


どうせ操作させられるので俺に拒否権はない。





日本軍とジパング軍の戦闘は、意外なことに膠着状態となった。


俺の予想では、いくら日本軍がサイサリスで砲撃しようとも、100丁から放たれるデンドロビウムの雨には対処できずにすぐジパング軍が勝つと思っていた。


そう。最初はそのとおりに事が運んだ。


トチギ領から進んだデンドロビウムを装備したジパング軍は西へと進み、ちょうど赤城山の東あたりの県境で日本軍と衝突した。


勝利、勝利、と日本軍を圧倒し、その前線は西へ西へと伸びた。快進撃だ。


しかし、ちょうど前橋市あたりまでそれが続いていったあたりで日本軍が押し返してきた。


どうも、デンドロビウムの雨が効かない兵士が現れたというのだ。


「いくらなんでも対応が早すぎないか?たった一日だぞ。ここまで来るのに」


「オレも何が起こっているのかわからん。もしかすると...お前のような兵器開発者が日本軍に現れたのかもしれない」


いやー、そんなまさかねぇ。


けど、さすがにそうか。俺はみんなからやたら賞賛されてるけど、やっぱ世の中には天才っているよね。


日本軍も...四条さんたちも必死に探して、そういう人を見つけたのかなぁ。




ディオスは、ジパング軍から斥候をだしてそのデンドロビウムが効かない兵士たちを見つけ出した。


それはちょうど戦線の東側での戦場にいた。


「オイオイオイ。なんだあの強力な魔法壁は。あんなの日本軍にあるなんて聞いてねーゾイ」


「オレたちジパングの魔法壁よりも強固だな。なぜあのようなものが日本軍に...?」


ジパングの兵士たちはデンドロビウムを丘の上から放ち、丘下の日本軍たちに魔法雨を降らせる。


しかし、その雨がことごとく日本軍が展開するドーム型の魔法壁に防がれた。


赤く光るジパングの魔法壁は、俺が知っている今までの魔法壁ではない。っていうかそもそも魔法壁といえば青い光だった。


極めて高密度な魔力をエネルギー源とした、かなり強力な壁に見える。


「いまの我々の武装では歯が立たない。大倉。なにか対応策はないか!?」


「この場で武器作れってか!?無理でしょさすがに。俺は参謀じゃないんだぞ」


「しかしこのままでは群馬を奪還するのはかなり難しいぞ!」


「うー-----ん.......」


あの魔法壁を貫通できる武器・・?いや、、今すぐどうにかは無理だな。。


っていうかあれどうやって魔法力捻出してるの?魔法石?足りなくない??


「ジパングの指揮官に告げる。我々から拉致した大倉礼司おおくられいじの身柄を引き渡せ。応じない場合、日本軍はお前たちを一人残らず撃滅する用意がある」


でかい拡声器をつかった声が戦場に響き渡った。


「!? なんだこの声は」


「えーっと。あー良かったなぁ~これで国に帰れそうだぞぉ~」


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