第4話 今、なんでもするって言いました?
俺の作った銃は大戦果を残した。
日本の前橋市、そして群馬県は完全に日本がジパングから奪還した。
これにより、長野、栃木、千葉も奪い返そうと日本軍の士気が上がりまくった。
だが問題が発生していた。
敵に武器を奪われ、敵側もそれを使うようになったのだ。
それによって徐々に戦況は膠着し、また俺に新兵器開発の命令が下りてきた。
「これ、永遠に続きません?俺たちが武器作れば向こうもそれを真似して拮抗。その繰り返しやん」
「馬鹿者!敵よりも速いスピードでよいものを作っていって勝ち続ければよいのだ!そうすればわが日本軍は北海道まで全土を奪い返せる」
「これ頑張ってるの俺だけでは?もっと他の人にも作らせてくださいよ」
「やっているのだが、いまのところ貴様の作る武器が一番良いと兵士に評判だ」
「特別給与と1か月の休暇を要請します」
「この戦争に勝ったらいくらでも与える、と総司令がおっしゃっておられる」
「いますぐ休みたい!社員にも有給の権利がある!!!!」
「ええいうるさい!!!!!敵前逃亡は銃殺。そして組織からの脱走も銃殺だ!上官の命令に逆らうのも銃殺だ!ばかもの!!!」
「理不尽過ぎない??????????????」
脳がバグるとはこのことだ。
つまり俺は、自由なく、休みなく、命を削って武器を作らないといけないらしい。
仕事で結果を残すと仕事に追われるはめになる。まさにこれは。。。地獄。
「というわけでこの銃を上回る新兵器を来週までに作れ。命令だ」
「・・・」
「あー、それと。今回は敵に奪われない武器、奪われても問題のない武器を作れ。それができれば、ジパングに勝ったも同然だ」
バタン。
扉を閉めていつもの静寂がきた。
また1週間...?前回の新兵器から、まだ1か月しか経ってないのにまたデスマーチ?
「嘘やん...」
5日たった。
今回は、まじでやる気が起きなかった。
だってこれ作ってもまた前線に行かされて、結局死ぬような目にあうのだ。
前はまさか自分の作った銃に撃たれて、爆発の衝撃で背中を打って軽傷ですんだが。
最終的に死ぬなら、もうだらだら好きに過ごして明後日の納品日を迎えようかな。それで銃殺か。。
「失礼します。大倉さんはいらっしゃいますか?」
聞き覚える声とノック音が聞こえた。
「ん?四条さん?大倉いますよー。なんの用でしょう」
「こんばんは。あの、大倉さんが困っているようだとお聞きしまして...」
ガチャ、とドアを開けて入ってきた四条さんは私服だった。
前はぴしっとタイトな軍服を着ていたのでドキッとした。というか、なんだかやけに露出の多い、視線に困る服装をしてる。
あえて言及しなかったが、四条さんは美人だ。
年齢は俺の1~2個くらい上?あたりだろうか。20代半ばあたり?
胸もでかくてスタイルもよく、長い脚が短いスカートから見える。
「大倉さんなら、この銃を超える、すごい武器をつくれると私は信じています。そして、日本を勝利に導くと信じています」
「ん???」
「大倉さんのためであれば、私はなんでもお手伝いします。はい。なんでも。。大倉さんが望むのであれば、私は日本のため、指示に従います」
流れ変わったな!
言っておくがこの人はおれよりも偉い人だ。
俺は今は組織にいるが、所属自体はまだ大学にも片足つっこんでいる。まぁ、休学してるっていえばわかりやすいか。
そんな主従関係で、自分より偉い美人がこんな下手にでてくることはなんとも魅力的だ。
「今、なんでもするって言いました?」
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