第2話 本当に前線に行くの?
1週間後。
あれこれと試したり、時には諦めたりしてそれっぽいものが出来上がった。
「ほう、これが新作か!」
「あー----疲れた。。さすがに徹夜はきついっすわ」
「どんな武器なのか説明しろ」
徹夜明けだというのにこの理不尽さ。
俺はじろりと上官を睨みながらよろよろと身体を起こした。
「相手の魔法壁を貫通する弾丸を発射し、相手の魔法を防ぐ壁を作れます。以上」
「なんと!!ついに貫通を実現できたか!」
「ええ。弾数に制限はありますが」
「壁をつくれるというのは?そんなこと可能なのか?」
「ジパングの魔法壁をそのまま使ってるだけです。理屈はわからんですが、電圧をかければ魔法石が発動するのでそれを壁にしてます」
言ってしまえば本当にシンプルな武器だ。
前回の第1試作品、通称魔法銃は魔法石のエネルギーを利用して弾を発射するだけだった。
しかし、弾にこめるエネルギー量が少なすぎてジパング軍の魔法壁を貫通できなかった。
せいぜい、相手の意表をついたり牽制する程度の駄作だった。
しかし今回は違うのだ。
「今回は、前回の魔法銃から10倍のエネルギー出力に上げました。なので、装弾数は10発が限界です。ですが、間違いなく相手の魔法壁は貫通します」
俺は作ったばかりの試作品を構え、目の前の魔法壁発生装置に銃をぶっ放した。
ものすごい轟音をたてて魔法壁が粉砕された。
「素晴らしい」
「このレバーで魔法銃モードと魔法壁モードに切り替えられます。なので、前衛の兵士に魔法壁モードで盾になってもらい、後衛は魔法銃モードで相手を撃ちます。おそらく、これでだいたいのジパング兵は倒せるはずです」
「いいぞいいぞ!!勝ったな!」
「じゃあ、あとはよろしくです。設計図はそこに置いてあります。適宜量産して前線にでも渡してください。。。」
もう脳が限界だったので、それだけ言い残して俺はソファーに横になった。
相手の魔法石を利用した科学?兵器。
俺がおもいつくくらいだから他の人もすでに作ってるんだろうけど、まぁもういいや。。
「
「は?」
死んだように眠った次の日。
今のは...聞き間違いか?
「おかしいですね。今日は脳の調子がよくないようだ。変な幻聴が。。。」
「武器を使う者の現場の声を聴き、それをフィードバックするためだ」
「いやいや、どうかんがえても危険ですよ。俺は非戦闘員なので現場の邪魔になるっすよ」
「命令だ。お前の安全は彼女が保障する」
唖然としてると、部屋の奥から軍人が入ってきた。
黒髪の背の高い女性だった。というか、日本軍って女性もいるのか。
「大倉兵器開発主任の命は私が守ります。どうかよろしくおねがいします!」
「え、本当に前線に行くの?」
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