第11話
帰りの時間になった。今日1日ずっと友麻さんが何組の生徒さんなのか考えていました。クラスを1つ1つチラ見していったらいいだとか、いやいや、それはやめといた方が良いです!とか自分内会議を開催し、結果、本人に会ったら聞いてみよう!もうお友達ですからそのくらいは聞いても良いはずです。と自分に言い聞かせました。なので、いるかいないかは分からないですが、部活動をしているかもしれないので部室にいってみようと思います。
登校する時間は把握しているので明日聞いてみるのも良いのですが、早く知りたいのが乙女心というものです。ささっと部室まで堂々と早歩きで向かいました。
「失礼します」
声をかけ、部室の扉を開けるとそこには誰もおらず、残念な気持ちで扉を閉めようとすると、後ろから扉を開けっぱなしにしようとする腕がありました。
「あの、この部室に何か用?」
後ろに振り向くと、友麻さんが立っていました。
背後にいる友麻さん・・・扉を開けるところも素敵です。
「えぇと・・・名前、なんて言うのあなた」
そういえば、私、友麻さんに自分の名前を言っていなかったですね・・・
お友達なのに・・・
「私は宝城万梨香と言います。できれば下の名・・・」
「宝城さん」
「はい?」
「宝城さんって呼ばせてもらうけど、この部室に何か用?」
私の要望はかなわず、そして自分に用があるとは思わない友麻さん。謙虚で素敵です。
「あの!私は友麻さんに用があり、こちらの部室まで来ました」
「俺に用?」
不思議そうに私を見る友麻さん。
「はい!出来れば、友麻さんが何組の生徒さんなのか知りたくて聞きにきたのです!」
と、直球で聞くと、友麻さんは
「そんなこと聞くために、部室に来たの?」
と超あり得ないとでも言いそうな雰囲気で
「・・・まぁ、いいか。俺は-・・・」
とクラスを教えてもらえました。
私、今日も1歩前進できた気がしました!
-友麻サイド-
放課後になり、1人だけの部活動を今日もしようと部室に向かった。
部屋の鍵を開けたときに、教室に忘れ物をしたことに気がつき、教室に取りに戻った。
また、部室に戻ってくると、部屋を開けていた闇の組織(仮)の女の子がいたので
扉を開けつつ彼女に
「あの、この部室に何か用?」
と、俺にはきっと関係ないはずだ。
と思いたいため、部室の方に用があるのか聞いた。
すると後ろの俺を見た彼女が驚いた表情をしていたけど
名前を知らないので呼ぶことも出来ないので
「えぇと・・・名前、なんて言うのあなた」
と、とりあえず名前を聞くと、彼女ははっきりと名前を名乗った。
「私は宝城万梨香と言います。できれば下の名・・・」
瞬間、あまり知らない女性の下の名前を呼ぶのは俺的に恥ずかしすぎるので(慣れていないので)
「宝城さん」
「はい?」
「宝城さんって呼ばせてもらうけど、この部室に何か用?」
あくまで、部室に用があるのだろうと思いたいので、2回聞いた。
「あの!私は友麻さんに用があり、こちらの部室まで来ました」
「俺に用?」
用があるのは俺だと言われて正直戸惑ってしまう。
用の内容によっては、彼女への対応を考えなければ・・・などと考えていると
「はい!出来れば、友麻さんが何組の生徒さんなのか知りたくて聞きにきたのです!」
と直球に言われ、そんなことを聞きにわざわざ部室まで来たのかと思うと
変な美少女だ・・・とかなり感じた。
でも、聞こうと思えば、他の誰かに聞けば良いところをわざわざ俺に聞きに来たのだと思えば、彼女は闇の組織(謎)とはなんら関係ないのかもしれない。もし、そうだとしたらとっくのとうに俺のクラスの情報なんて知ってるはずだろうし。
と感じたので
「・・・まぁ、いいか。俺は-・・・」
と、宝城さんにクラスを教えてあげたのだった。
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