変なことに興味津々

 たまに、無性にその物事やスキルを習得したくなるときがくる。割と定期的に。


 例えばボクは林檎の皮を包丁でむくのが、それなりにできる。まぁそんなの普通のことだよと言われてしまえばソレまでなんだけれども。


 子供の頃にりんごの皮を切らないでつなげて剥けるようになりと思ったのだ。思ってしまったのです。それで練習してしまった。結果いまでもほぼ切れることなく皮をつなげたまま、クルッと剥ききれるのだ、どやっ。


 このようにどうでもイイことを、真剣に練習してしまう癖がある。そう、病にも似たなにかだ。


 あるとき、指パッチンして音を鳴らしたくなってしまった。授業中に一生懸命練習した。教室の片隅で一心不乱に指を鳴らす練習をしている生徒がいたら……教師の立場で考えるとだいぶ対応に困惑すること請け合いである。


 ある日、ペン回しがなんだかやりたくなってしまった。授業中にぽろぽろ床にペンを落として先生にいくどとなく注意された。


 授業を上の空で聞きながら、練習するのが基本だった。


 ある時期、リフルシャッフル(トランプでやるパラパラパラとカッコいシャッフルのこと)、を覚えたくてトランプをひとセットダメにするぐらいに練習した。。


 ちなみに、リコーダーとかなわとびも随分練習した。


 でも、もっと大事なことは基本的にほったらかしなのだ。学業とか将来に役に立つものは習得していない。多くの物事は習得しても意味や活路を見出みいだせないものに愛着を覚えてしまうから。ダメだこのひと。


 ちなみに人生で役に立つことは林檎の皮くらいでほかは役に立った試しはない。残念。無念。楽器とか書画とかもっと評価されるものに心血を注げばいいのにと、客観的には思うんだけどね。


 つまり異世界にいってスキルはそこそこの数を習得しているにも関わらず、大事な火魔法とか剣術スキルとかはいっさい覚えないで、段ボール箱を潰す能力とか、ふわふわかき氷をつくるスキルとか、石灰水に二酸化炭素を混ぜて白濁させる能力とか、ゆで卵の殻を上手に剥くスキルばかりを習得しちゃうワケです。


 完全に失敗ビルドの変な生物になっていることに最近気がついた……あっれ~?


 なお、何年か前にリズムゲームのやりすぎで腱鞘炎になって病院の先生に原因を聞かれて、恥辱で口ごもってしまったのが、直近のスキル習得事情です。


 和傘を持っていたら、その上でボールを回しちゃうやつとか練習しちゃってたに違いない。正月番組に浮かされて。きっと。

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ボクはなんだか色々と足りてない からいれたす。 @retasun

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