なえなえ~ます

 人には好みがあり、それは人それぞれであることも十分に理解しているのだけれども、なんだかスルーできないこともあるます。それでも、気になっちゃうってことってあるのですよ。


 普段は、それを好きな人が悲しんでしまうというのがあるからスルーするんだけど、あまりにも氾濫しているのでちょっと書いちゃいます。


から出会ったふたりが……うんぬん』


 このひょんなことという表現があまり好ましくありません。ひょんなことというのは、予期しないこと、意図しないこと、意外なさま、ちょっとしたこと。などという意味なんだけれども。


 あまりにも見かけすぎて陳腐化しているまである気がします。


 ちなみに、諸説あるようだけれども、ひょんとは中国語の『凶』の読み方、ヒョンから来ているという説もあるそうです。不吉な、転じて奇妙なとかそういった意味にもとを発しているようです。


 文庫なんかの裏表紙の概要説明とか、新刊情報などで非常によく見かけます。内容を濁してちょっとしたきっかけで物語が始まる。ということを説明したいのだろうけれども、あまりにも安易で便利に使われちゃっている気がするからです。


 その本質は、慣用句的に使えるものは、文章として手を抜いていると感じるからなのですが。


 慣用句は知っていると便利な半面、物事を説明することに対してファストでお手軽にすぎる。もっとも、確固たる理由があって使っているならば依存はないのですが、どうしてもそう感じてしまいます。


 例えば舌鼓したつづみを打つ。料理を食べるシーンの説明をこの一言で済ませるのはどうなんだろうって思ってしまいます。見た目や香り、焼ける音やナイフを伝わる弾力、そして味、そのすべてを一言で押し流しちゃうの? もったいない~。


 グルメものでもない限り、詳細な説明は必要ないのです、とか言われたら反論の余地すらないのだけれども、ボクのワガママとして、短くても思わず口をちょっともごもごしたくなる描写がほしいのです。


 そう考えると慣用句って使い所が難しいなぁ、などと文章を書きながら、いつももやもやしています。


 余談になりますが、異世界ファンタジーなのに四面楚歌などという表現を見かけたりします。故事成語だったり、ことわざなどを使われるとせっかくの世界観が崩壊して途端に現実に引き戻されてしまうので、この辺もボクがもやもやしちゃうポイントだったりします。


 この辺の線引ってどうなんだろうかとも思うんだけど、難しいですよね。


 そう、慣用句に対してあたまでっかちなボクのメンタルを絵にすると、ぬらりひょんに似てるかもしれない。


「ぬらり」ぬるぬる。「ひょん」韓国語では兄。つまりぬるぬる兄さんが、ぬらりひょんだったんだYO!!!!

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