ススぼスス眠ス ぼススス話話ス

 ボクたちをとりまく環境はめくるめくスピードで変化していっている。人が生活をすることによって、生活範囲を広げていくことによって、地球環境に少なからぬ変容を強いていく。


 その影響下で淘汰とうたもしくは被害にあったモノたちは、未来を閉ざしているのだ。


 レッドデータアニマルズ。絶滅危惧種。こんな単語で表すには悲惨すぎる状況だが氾濫はんらんする情報と立ち止まることのない進歩は貴重なものさえ押し流していってはいないのかと不安になるときがあるのです。


 決して人類もその範疇外はんちゅうがいではないのだということに気が付きたいよね。失ってからでは遅いのだから。


 それで『ススぼスス眠ス ぼススス話話ス』になるんだけれども。


 これは、すごくよく見る光景である。そう、よく見るのだ。ボクがバグったわけではなく(元からとか言っちゃダメ)、電車の中の風景です。


 ス:スマホ、ぼ:ぼんやり、眠:睡眠、話:おしゃべり。


 普通に偏っていれば「ススススススス」とかの場合もあるのだけれども。それなりにお歳を召した方も普通にスマホでなにやらしている。そこには老若男女(ローマ字でこの四字熟語打ちづらいなぁ~)の隔たりがないのもすごい。


 そう、すごく変化があったなぁと思うことのひとつが、生活に対するスマホの浸透率だったりするのです。


 いまとなっては見慣れた光景だけれども、その逆で見かけなくなったものも多い。


 スポーツ新聞のエッチな記事をちっちゃく新聞を折りたたんでこっそり読んでいるおっさん。を冷めた目でみつめる女子高生。の前でマンガ雑誌を楽しそうに読んでいる男子学生。そのマンガをこっそり覗いてるおっさん。をバカだなーって観察してるボク。それらを俯瞰ふかんしている神はいるのか?


 だけれども最近はもう、電車に乗ったらスマホやるまでが、『電車に乗る』という行為なんじゃないかと勘違いしそうなレベルなのです。


 ボクは電車に乗るときは本を読んでいる、なのでかなりレアな存在に成り下がっている。実は電車の中ってざわついているし、走っている電車のたてる音もそれなりにあるんだけれども、不思議に集中できるので、案外悪くない読書スポットなのだ。


 でも、本を読んでいる人はめっきり見かけなくなった。つまり絶滅危惧種なんだよね。


 そりゃー、自販機はあるけれどもKIOSKとか売店もあんまり見かけなくなるってものです。


 をい、電車の中では本を読め! 同類がいなくて寂しいからっ!


 このままじゃ、ボクがレッドほにゃららだ!

 うん……三倍速く本を読める気がしてきた!!

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