どのくらいのツンデレが好き?

 単一化されていない限り結局は物事は混じり気のあるものでしかないのだ。


 例えばカフェオレ。コーヒーとミルクをほどよきバランスで注ぎ、混ざりあった生成物を美味いと感じて飲むわけなんだけど、どのくらいの比率が好きかは人によるのだ。


 ボクは基本的にコーヒーはブラック派ではあるのだけれども、カフェオレにするならばミルク感たっぷりで七割ミルクぐらいがよき。


 ボクがA田M央さんならハーフハーフっていう一択だけどね。


 ハンバーグは合い挽きなのか、牛100パーセントなのか。じゃあ合い挽きの肉の比率ってどうなってるの?


 市販されている合いびき肉は『牛6:豚4』か『牛7:豚3』ぐらいの比率だそうだ。だいたい2対1ぐらいの割合だと牛の旨味も残しつつ、豚のジューシーさが添加されて美味しいハンバーグができるそうだ。


 100パーセントが牛だと、固くなりがちだけど、牛の旨味は多めに感じるかもしれない。このへんは用途や料理によるのだろうけれども、多くの方が研究してるんだろうね。


 ということで、先日唐突に聞かれたのだ。


「ねぇ、ツンデレの比率はどのくらいが好き? ツン7デレ3が正義だよね?」


 頭、真っ白になるね。おま、なにいってんの。


 正直、そんなこと全く考えたことなかったよ。確かに二面性というか、相反する要素が混じり合っているということは確かに比率は存在するのだ。


 だがまてよ、これは高度に政治的判断を要求される内容ではないだろうか? もしくは同類か敵性存在をあぶり出す、踏み絵的なものなのか……。答え次第では戦争もありえる。


 たとえばツン9デレ1と答えたらドM認定されるかもしれない。反撃も含めて戦いは避けられないだろう。


 だからといってツン0デレ10と答えたら、根性なしと言われるかもしれない。お礼にツン10を押し付けてやるしかないだろう。


 ツン5デレ5、はっ? 普通すぎね、と馬鹿にされるかもしれない。黄金比をバカにしてはいけない。


 こう考えるとやつが提示したツン7デレ3の比率のなんと美しいことか。だが、やつにおもねるのも釈然としない。くっ、答えはどこだ。


 答え次第で仲間外れになる可能性すら……。頬に冷たい汗がひとしずく流れおちる。

「持ち帰って検討させてください……」


「骨なしチキンのお客様〜」

「はい」小さく手を挙げながら。


『ねぇ、どのくらいの比率ツンデレが好き?』

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