一年で7万2千の幸福がある
例えば一日に一冊の本を読んだとしよう。一年で365冊。平均寿命をおよそ80歳としたときに読める冊数は29,200冊。残念ながら多くの人はがんばっても、人生でたったこれっぽっちしか読めないのである。
もちろん、早く読める人もいるし多読の人もいる。けれども標準というか常人のマックスという意味ではこんなものなのではなかろうか。
世の中にはこんなにも本が溢れているというのにだ。
14世紀にヨハネス・グーテンベルグが活版印刷機を発明したことによって、本への敷居はどんどん下がって一般大衆への教養や歴史の浸透や思想や布教に寄与し、やがては大衆文化として花開いてきたわけだ。
その中には駄作から名作、奇書などあらゆるものが含まれているのだろうけど、普通に過ごしていたら絶対に目にすることも叶わないものも多いのだろう。
ボクにとっては、それが悔しくもあり、ホッとしている一面もあったりするのだ。
総務省統計局のデータによると、日本国内で一年間に出版されている書籍の新刊はおよそ7万2千冊前後(雑誌は含まれていません)。平均の本の価格は1200円前後。
そう、ボクらは一年間に発売される本すら読み切れないのだ。せいぜい四カ月分ぐらいなものだろう。その事実が悔しくたまらない。
ならば速く読めれば問題ないのだろうと言うなかれ。速読とか進められることもあるけれども、それは嫌なのだ。ゆっくりと指先に紙を感じながらページを繰っていく作業が欲しいのだ。
「あーもー、めんどくさい」って言われそうなんだけど読むなら味わいたい。でもいっぱい読みたいというジレンマを抱えてる自分が一番めんどくさいのだから、甘んじて付き合ってください。
ならば、質をあげて自分にとって有用だったり、ためになったり、面白かったりするものを厳選したいきたいところなんだけれども、本というやつは曲者で、中身を読んでみなければ内容だったり文体だったり、ありとあらゆるものが予測不可能なのだ。
つまり人の意見や講評などを参考にして見ていかなくてはならないわけです。つまり★とかはいってない作品は見向きもされないという悲しい現実があるわけで……埋もれてるいい作品っていっぱいあるんだろうなぁと思うとまた悔しくなっちゃう訳です。
ちなみに、入院とかしたら一日中本読めるんじゃねとか、不埒なことを考えていて、もっていきたい本のリストとか作らなきゃとか考えてるときがあるのは内緒です。
でも幸せなことを考えると症状がよくなる傾向とかも散見されるので、ボク的には図書館に入院したら翌日には退院できるに違いない。むしろ退院したくないと駄々をこねるまである。
今回の記事を書くに当たり下記のデータを参考としています。エクセルデータなのでご覧になる場合はご留意くださいませ。
◆総務省統計局:書籍新刊点数と平均価格
https://www.stat.go.jp/data/nihon/26.html
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