オータムで読書な季節になる

 ある秋の日に、釣り瓶ドロップ。

 On an autumn day, fishing bottle drop.


 秋の日はつるべ落とし。いまどき、釣瓶つるべなんてほとんど使われないけれども。井戸の水を汲むあれがつるべ。井戸に放り込むようなスピードで日が落ちていくことを比喩している。


 段々と季節が移り変わっていくこの時期、ちょっと肌が気温でキリッとしてくる。いよいよ晩秋に至る。過ごしやすい気候と夜長をともにして、いつも以上にねっとりじっくりと読書を堪能したい所存である。


 ということで、猫をもふろう……。


 ではなく、読書の秋です。毎年10月27日から11月9日までが秋の読書週間なわけです。二週間あるのに週間なんだね、などというツッコミには目をつぶりまして。


 歴史のあるもので、今年は第76回(2022)。じっくりと読書を楽しむにはこうゆうのも、一つの契機になるんじゃないかなと思ったりするわけです。 


 そして、この時期にボクが楽しみにしているイベントがある。そう、みんな大好き神田古本まつり(異論は受け付けないよ?)。時期はちょうどこの読書週間にかかるように行われるので、忘れにくいというのもある。


 神田神保町。言わずとしれた本の街である。最近ではカレーの街とかスポーツ用品とかちょっと足を伸ばせば楽器店なども多く立ち並ぶ界隈だけれども。


 ボクにとってはやはりここは本の街なんだよね。なんて甘美な街だろうか。もともと出版社や書店、古書店、取次店などが軒を連ねる街なのだ。紙とインクに抱きしめられてる街といえないわけがない。


 ゆえに神保町は正義なのだ。


 昨今のコロナ禍の自粛ムードもあって、ここのところおまつりにはイケてないけれども、貴重な本とかを見たりできたりする催しでもあるので、うきうきしてくる。


 露天で販売される古本が台に所狭しと並び、もうその景色を眺めるだけでも気分は高揚する。またなにが並んでいるのかわからない宝探し感がワクワクさせるのだ。


 もちろん、既存の店舗も開いているので、新刊を物色したり、古書を扱っているお店で貴重なものを冷やかしたり、あと東京古書会館では企画展示とかもあって一日費やして楽しめるのだ。


 つまり神保町のイベントが楽しみだなぁ。ということである。


 昨今の電子書籍化とかいろいろと世間とのギャップはあれど、形を変えてでもこのイベントはまだまだ長く続いてほしいなぁと思うのだ。


 読書というめっちゃインドアな行為に興ずる人々を屋外に連れ出すことのできる稀有な催事でもあるしね。


 ところで、よく考えたら猫は四六時中もふってるので季節感はないにゃん。

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