マジックらない。缶あかない。
こちらのどこからでもカットできます。
いや、無理だから。ひとことで言うならば「あんた、なに言ってんだ」である。
マジックカットと言われる技術がある。小分けにした調味料とかインスタントラーメンのスープとかに使用されている。
それこそ、目にしない日がないくらいに普及しているとすら言える。
だけれども僕は、これを上手く開けられません。とくにビニル素材のやつはとっても難しい。
指定部分の上下を両手の指で支えて、交差するように切断できるのが、このマジックカットの特徴であるにもかかわらず、切れないどころか伸びる……にゅょ~んって感じで伸びる。たまにムキになってネジ切れる感じのときもある。
あの伸びて気持ち白化したビニルをみるとすごく情けない気持ちになる。
これを僕はひどく苦手にしていて、上手く開けられる方法が皆目検討もつかない。つまりハサミさまに登場いただくことになる。まったくもってマジックらないのである。
ハサミをいちいち使う煩わしさから開放されるためのものが、伸びたビニルを見つめて昏い気持ちになるワンクッションを挟む結果を生む。
マジクってほしいなり。
あと、缶詰のフタがあかない。いやね。缶ジュースのフタとかは開くんですよ。開けられないのはパカッとあける口が広い缶詰のヤツ。
コーンとかトマトとかはいってるソレです。あいつらなんでスチール缶なんですかねぇ。固くて開かないのよ。
しかも下手くそなのかも知れないけれども、持ち手のところが取れちゃったりするんだよね。結局缶切りが手放せないやつじゃんか。
あの指で引っ掛けて持ち上げるところを、指が痛いのを我慢して、我慢してですよ。開封のために引っぱってるのに、とれちゃうとか何様ですか。
あとコーンビーフ。お前も罪深いからな。手が切れそうなのを怖いなぁと思いながらくるくるした挙げ句に、缶にくっついて中身が取り出しづらいし。
しかも、聞いてくださいよ。
僕が通っていた高校の購買ではこのコーンビーフをたっぷりのマヨネーズであえたやつをコッペパンにこれでもかと詰めたやつが少数ですが売っておりました。
僕はコレがすごく好きで、見つけるたびに買って食べていたんですけど、商品名がツナサンドって名前だったんですよね。おかしいだろう、と思いながらも買い続けること三年、卒業まで名前が変わることはなかったんですよ。
名前までやらかしてたらいかんだろう。
だいたいにおいて、こうやって封印された食べ物って美味しいのがまた意地が悪いとおもいませんかねぇ。
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