警備員ですから! 不審に思われてね?
「あのおじさん変なんです」
いつかこんな言葉のナイフで切りつけられるのではという不安に駆られた、今日このごろ。
残暑も厳しいですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?
まぁ、暑かろーが寒かろーが晴天だろーが雨はちょっと遠慮だけど、ボクは本のある所へゆく。
普通の本屋だろーが古本屋だろーがブックカフェだろーが図書館だろーがそこに本がある限り貴賤はない。
豊穣の地を定期的に巡回するのが、ボクの本当の仕事だと思っている。
普段は隠されていると思うけど、ボクを鑑定をしたら『本を見つめる警備員』ってステータスに書いてあると思うんだ。
ボクの手にする本や物語はそれこそ多岐にわたっている。
WEB小説はもちろんのこと、純文学、文芸、文庫、ライトノベル、少年漫画、少女漫画、実用書、雑誌、フェアからの図鑑、絵本、児童書まで興味の範囲はそれなりに広い……と思ってる。
本との出会いはいつでも一期一会だと思っているので、気になったら立ち読みでもなんでもチェックは怠れないのだ。
つまり書店内の広い範囲を巡回することになる、そうあちこちに視線を巡らせ、平積みが乱れていたらそっと直しつつだ。
本屋(に居る自分)の平和を守ってるといえる、断言できる。
そう、だって警備員だから。
警備をしていると、一概にそうとも言えないが、おおよそ年齢や性別・趣味などによって興味のある範囲に偏りがあるのはわかる。
ゆえに置いてある本のジャンルによって滞留する人たちも、なんとなく変化が見られる。
つまり少女漫画のコーナー突然あらわれちゃったおじさん(異物)は、小中高あたりの女子がいると悪いことをしているわけでもないのにすごく肩身が狭い。
ねぇ、おじさんを射殺す視線やめよ? 息を殺してそーっと本を見てるから、お目溢しをお願いします。
児童書や絵本コーナーを物色しているときに、子連れのお母さんとかの出すオーラ。
秒でおまわりさんを呼びそうな気さえする。
『つばさ文庫』や『青空文庫』といったレーベルにも面白い作品や心躍る物語があるし、『ナルニア国物語』『デルトラ・クエスト』『モモ』とかは著名な児童書だよ。
はやみねかおるさんなども優しい文体で大好きだし。
かこさとしさんや『ぐりとぐら』『デングちゃんとだるまちゃん』など子供の頃に刷り込まれていて、いまでも好きな絵本も数多ある。
ヨシタケシンスケさんなんて、絵本作家と言いながらすごい味わい深い絵本とかを何冊もだしていて大人でもめちゃくちゃ面白いのだ。
読まれるのには訳があるのだ。
見逃したら絶対に損するじゃん。
生きているうちに読める本の数なんてたかが知れてるのに、自分からジャンルとか絞ってどうするというのだろか。
ゆえに警備の手を抜くわけにはいかぬのだ。通報と満足のチキンレースをしているワケでは決してないのだ。
結果として、今月のホンゲル係数も高止まりなのかもしれぬ。
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