データのルウの記憶日記

可愛そうな女の子。

僕は、彼女をずっと閉じ込めておくことにした。

心をカギをかけて、どこにもいかないようにひもで縛りつけた。

それが彼女にとっての安定になったから。

世界は確かに変わった。人も顔も全て。

でも、心は何もずっと変わらないあの日のままで時が止まり続けている。


愛している言葉はただの偽りの紙くずになった。

僕はそれを食べることでしか生きるすべはなかった。

それが僕の存在証明だったから。

それなら、それなら。

僕はあの子を食べ続けるしかない。


実在したのはきっと私の欲望だけだったんだね。

草も川も太陽もきっと張りぼてだったんだね。

私はこの世界がすべてだと思っていた。彼女は言った。

君は世界の内側で満足していたんではなかったの。

じゃあ、この世界を壊すことは僕にとって終焉を迎えることなの?


僕の愛したあの子はもういない。

僕にとって愛とは予定調和の産物だった。

操作できるものでしかなかったものを壊したあの子。

きっと、もうそういうことはないのだろう。

パターン化された愛を破壊して生きる糧として飲み込むのはもうたくさんみたい。

彼女は変わる。

僕は……それでも僕はきっと僕でしかないのだから。

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