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石をほるのはあんがい大変で、全力で力を込めないと
しばらくするとママが
こうこうこういうわけだと私が話すと、ママは、これでもかっていうくらい口を『への字』にして
ぜったいにケガするからやめときなさい、ってママに言われて、私は、ちょっとムッとして、ぜったいそんなことないわ、って心のなかで思った。
ママの言うことを聞かずに、私は
血がいっぱい出ておせんべいくらいの血だまりができて、……
……やっぱりマイナスかもしんない。……このときのことを思いだすと、いまでもちょっと、背中がヒヤッとしちゃうから……。
手のひらに穴を
……ママに見つからないように、ガーゼとばんそうこうで
それでも、石を
水で洗っても完全にはきれいにならなくて、……せっかくきれいな石を
そんなこんなでかなり大変だったけど、完成してみると、けっこう思いどおりに文字がほれて、私は
……まあでも、とうぜんあとから、ママに手のひらの
それに、石をガリガリしたせいでマル
先生は、
『……私遊んでないし、めっちゃ真剣だったし』って思って、たまにいじけちゃうけど、じっさいにはそんなこと言えない。ちゃんと
完成したお
だけど、心には
時間を忘れて、思いだして、ゆっくりと息をした。
体の力が抜けていたけど、まぶただけがそうじゃなかった。それに気がついた瞬間、私の目は、自然と
ジュニアのお
あのときあんなに泣いたはずなのに、お
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