それから
1
どうも。私です。
いまは秋です。
あれから十年が
空は夕焼け。いまの私は、学校からの帰り道を歩いている。ついさっき友だちと別れて、ちょうどラストの坂道に
空を見上げてみると、
秋になって、日が短くなって、ちょっと寄り道をしただけで、空はすぐにこうなっちゃう。こんなにキレイな空だけど、
坂道を歩く人たちはみんな、自分の足元に目を落としていた。
でも私は、ついつい見ちゃうな。
私は顔をさげて、坂の終わりのほうに目を向けた。
あのころみたいに、夕日は坂の終わりに落っこちてくるわけじゃなくて、少し横にズレて、建ちならぶ家の
ちょうど沈んだタイミングだったのか、そのあたりが赤く光っていた。
けっこう強い光だけど、こっちを向いているわけじゃないから、そんなに
歩くうち、なにかの
トリでも飛んでるのかと思ってさ。
でもそうじゃなかった。
ただ私が、道の上にかかる電線の
真っ赤な
昔といっても、ひとつまえの季節のことだけどね。
でもなんだか、あのときの私といまの私とじゃ、ぜんぜん違う人になっちゃったような気がして、思い出のなかの私はまるで、ほかの誰かさんみたい。
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