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「あのぅ……、わたしそろそろ帰ります。じゃないと、
「それは
……でも、だけどね……帰り道には、ほんとうに気をつけて。
「……おじさんも人間じゃあ……?」
「きみ。うまいこと言うね」
「……いや、言ってないと思いますけども……」
「あっはっはっはっはっ! はー! まあ、なんにしても気をつけて帰りたまえ。そうしたなら、たとえ
なんか怖いこと言われてるってわかってたけど、私は少しも怖くなかった。それどころか、私の心は熱く燃えていた。
「わたしは死にませんよ。だって、やることが、まだまだたくさんありますからあーー!!」
私は、自分でも信じられないことに、『あっ、ヤバっ!』と思ったときには、トロッコをグーで『バコンッ!』と
するとその瞬間、トロッコは
「……ぅぅ……耳、キーン言ってる……うぅぅ……痛い……、ぅぅ…………。ぁ、ぁ、あ、あ、……あいう、えおー……、あー、あーあー、あ~……、あ~!」
てかヤバいっ、耳のテストなんてしてる場合じゃない、ミイラのおじさんに
バラけたトロッコの上には、まるめた
たぶん、ミイラのおじさんが体に巻いていたやつだと思うけど……、どうやってあの一瞬のあいだに
ていうか、トロッコはバラバラのなかでも、めちゃんこバラバラになっていた。……なんか、
しゃがみこんでよく見てみると、トロッコの
これは……もとに戻すのめっちゃ大変そう……ピースの色はどれもほとんど同じだし……。
自分で
というわけで私は、パズルはそのままにして、家に帰ることにした。
パズルの山の横をすり抜けたとき、ふと気がついた。
もしかして、あんまり
空には星が
真上を向いたせいか、首の骨が突然『ポキ』って鳴った。
首の後ろをさするついでに、頭の後ろの、さっきブロック
さすったり押したりしてみても……なんともない。死んじゃうかと思うくらいあんなに強くぶつけたのに、痛くもかゆくもなかった。……しかも、たいらなままだ。
いちおう手のひらも確認してみるけど……なにもついてない。
ノーダメージでよかったんだけど、なぜか私は
先に向かって少し歩いたとき、視線を感じたような気がして、私は後ろに振りかえった。だけど、気のせいだったみたい。そこには誰の姿もなくて、ただパズルの山がこんもりしているだけだった。
私はオバケとかはあんまり信じないけど、昔からひそかに、
それはなぜかといえば、
まあオバケだって
でもオバケじゃなく
ただ誰かを見ているだけで、幸せとか、楽しいとか、そう思うことが、私にはあるから。ただでさえそうなんだから、
……まあもしかすると、私は変わった人で、こんなことを思うのは、世界で私だけだったりするのかもしれないけど。
私はまた振りかえって、先に進んだ。
道は一本道らしい。左右はずっとブロック
しばらく歩いていると、大きな道に出た。
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