3
「…………ん……わ……わたしは……、わたしは死にたくなんかない! 死ぬまで生きて、やりたいこと全部やりたいよ!」
私がそう叫ぶと、ミイラ男は腕を組んで少し頭をさげた。
「そうか。
ミイラ男は腕組みをとくと、さっきみたいに手首をクロスさせて、腕を
「――ゼットォッ!!」
「どう見てもエックスだよぉっ!」
私のツッコミを
その瞬間、トロッコが、火花をまき
『たすけて神さまー!』、私はこう叫んだつもりだった。
だけど、じっさいに口から出たのは、
「たしゅけけきゃみはまー!」だった。
その瞬間、私は、なぜかわからないけど、『神さま
神さまはめっちゃすごいけど、それとおんなじくらい気まぐれなんだ。神さま
そうだよ、
……
あれだからね……私これでも
私は少し腰を落として、腕を前にのばし、両方の手のひらをトロッコに向けた。
トロッコがすぐ目の前に来たとき、私は、全身に力を込めるために、思いっきり息を吸いこんで、
でもなぜかその
頭の後ろを地面に打ったせいでそう見えただけなのか、真っ暗だった空が、夕焼け色に光ったような気がした。
でもその光は、花火みたいに一瞬で消えてしまった。
だけど、お腹に
まるで、空の上の誰かが、空の
タイヤが大きくて
大きな音が鳴って、思わず私は目をつむった。
なんだか体に力が入らなかった。……安心しすぎて死にそう……みたいな感じ……。
とそのとき、目の前がちょっと明るくなったのを感じた。
目を開けると、目の前でなにかが光っていた。
目のなかに光の
目が慣れて
トロッコの底の面には、ちょうどサイコロの『
マルは……ペンキで
ふと、視界の上のほうをうるさく感じた。
体を動かす元気がなくて、私は、目ん玉だけをキョロッと上に向けた。
トロッコの底の面の、私の頭の上あたりに、なにか書いてある。
私は、力を振りしぼって首をそらして、さらに上を見てみた。
そこには、
神は言っている 「おまえを見ていると、めっちゃ
「……えぇ」
私はなんだか怖くなって、横にコロンと転がってうつ
するとその瞬間、頭の上から、「おい!」と声をかけられた。ビックリして、すぐに体を起こして後ろを見上げると、声をかけてきたのはあのミイラ男だってことがわかった。
ミイラ男はトロッコから体を少し乗り出して、私を見下ろしていた。そして、少しの
……おまえなめとんのか……? と一瞬口にしそうになるけど、私はギリギリこらえて、「……はい、なんとか……」と答えた。そしてすぐに、「……おじさんは大丈夫?」と続けた。
「ワガハイかい? ワガハイはほら……
「……。はぁ……な、なるほどです……」
「でだねぇ。きみ。ひとついいかい?」
「え、なんですか……?」
と私が返事をしても、……ミイラ男は、ただモジモジするだけだった……。で、一分半くらいモジモジしてから、やっとしゃべりだした。
さっきと違って声はまともっぽいけど、しゃべってるあいだじゅうずっと、まるで『……言いだしにくいなぁ……言わずに帰りたいなぁ……』って言っているみたいで、……なんかすごく嫌なしゃべり方だった……。
「うん。なんというか。いやー、ホント、ごめんねぇ……。うん。……ワガハイ、ミスをしていたようだ。……きみが親の
こんなこと、ワガハイが言っちゃいけないような気もするけど……まぁ言うよ、……人はミスをする生き物だよね……ミスをしない人間はいない……人生に失敗はつきものだよね……。
……あれだよね……人間誰しもさ、……
それでね? ここからが話のキモだからよく聞いてほしいのだけど……、じっさいそれが親の
ワガハイも今日から心を
……なのに……それを自分からとりにいくなんて……えげつないくらいにナンセンスさ……。ゆえに、
お願いだから
――というわけでさ、おわびに家まで送るよ、とりあえずね。――さぁ、乗って!」
そう
「…………。……いえ、いいです……」私は言った。
「きみ。
「……わたしの家、すぐ近くなので」
「そうかい?」
「……はい。いやです……」
「……まったく、シャイな子だ」
そう言ってミイラ男は、手をひっこめるとすぐに腕を組み、その場で少しふんぞり返った。
それを見上げる私の顔は、すんごい表情になってるはずなんだけど……、ミイラ男は、それに気づいていないのか、それとも気にしていないのか、「いやーそれにしても、
声の感じから、ミイラ男はけっこう年をとっている人みたいだとわかった。おじいさんまではいかないけど、……おじいさんよりのおじさん? みたいな感じ。
……なんかいろいろ
トロッコを後ろの面には、サイコロの『
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