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そこは行き止まりだった。
高いブロック
ただ
いちげん
……誰? いちげん
もしかして、私を
私が後ろに振りかえるとすぐに、
すぐにこっちに突っこんでくるかと思ったけど、トロッコはただ、
私はファイティングポーズをとって、相手をカンサツした。
トロッコの前の部分は
トロッコには、
それも底にじゃなくて横についてる。
クルマに使うようなやつで、ものすごく大きい。トラックとかに使うやつなんじゃないかと思う。だから、トロッコの乗るとこは地面からけっこう浮いてる。
……こうして見ると、あんまりトロッコっぽくない。
オモチャのクルマみたいな雰囲気だ。
……ていうか、なんでタイヤで走ってるのに、『カタンコトン』って音が鳴るんだろう……。もしかして、スピーカーで鳴らしてるとかかな……?
タイヤを合わせたトロッコの
……走ってこられたら……どうしようもない。……ヤヤ、ヤバいじゃんっ……どこにも逃げ場ないじゃんか……もうあれじゃん……ネズミじゃんか……完全に袋のネズミだ……。……私は、ここで……
トロッコからのびるレバーは、
その先っぽには大きな赤い
……ボウリング……一度でいいから、してみたかったなぁ……。
トロッコに乗っている白い
ミイラ男はさっきから
じっと様子をうかがっていても、さっぱり動きがなかった。
もしかしてあのミイラ寝てんのかなとか、そもそも
けどその瞬間、急にミイラ男の声が大きくなって、聞きとれるくらいになった。
「……ここで会い、そして百年が
そこで言葉を切ると、ミイラ男は両手を組んで、私のほうに腕をのばした。よく見ると、右手をピストルのかたちにして、その底に左手をそえていた。
そして、ミイラ男はその
「
私がなんかヤバいぞと思っていると、ミイラ男は続けて、ピストルを
……え? ……ドカーンって……それは
後ろがブロック
よかったことに舌は
……なんだか……、……目の前がますます暗くなって……少しだけ世界が
でも、そんなこと言っていられない。私は涙目になりながらも、またファイティングポーズをとった。
すると、ミイラ男は「だが待て」と言った。
なにが……? なにを……? 誰が……? 私はわけがわからなくて、ちょっと首をかしげた。
それに反応したのか、ミイラ男は急に『気をつけ』の
そして、背筋をのばしたまま両手を
……いやいや、いっかいしか言ってないし、それに、『待て』っていうなら手のひらを向けるもんじゃあ……? って私が
「まぁ楽にしたまえ。……ワガハイだって人間の
…………この
なんでもいいんです。いちばんの思い残しを、ひとつだけ聞かせてください」
私が黙ったままでいると、ミイラ男は腕をおろして叫んだ。
「はやくのべるんだ! はやくぅ!! 時間は
「し、知らないよぉ……! よくわかんないけど……、やりたかったこと……? それもひとつだけ……? そんな、そんなの、決められないよ……!」
「いいから…………はやくのべろっ! 考えずに感じたまま言えばいいんだ! それがホントのおまえの気持ちだ!
考えた気持ちは……、誰かの気持ちだ、つくられた気持ちだ、
おまえのホントの気持ちを吐き出せ! いますぐつまみ
「……なんで……そんなこと、言わなきゃいけないの……?」
「どうしても言わぬなら、ワガハイが代わりに言ってやるぞぅ?」
「そ、それはなんかイヤあ!」
「じゃあ言うんだ! おまえのホントの気持ちを!」
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