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年上の人なんだし、もっと
……なんだっけ……あのほら、足をめちゃくちゃ
「……お
「きみ、今日は何日だ?」
と、ベビーシッターの人は言った。すごくカッコいい声で、まるで
顔をあげると、ベビーシッターの人は真剣な目をして、私のことを見下ろしていた。
いきなりしゃべりだすのに
そんなことよりも、さっきまでの『
「…………あ、え? あ、あの……! ……あのぅー、えっと……あのあの、あのですね…………わわ、わたし、あんまりそういうのに
「だよね!!」
「――ひぇえ! ごごっ、ごめんなさいっ! ……うわぁっ!」
ベビーシッターの人の大声に
ベビーシッターの人は、私を追うようにしゃがみこむと、腕をのばしてきて、私の両手を両手にとった。てっきり、そのままひっぱって起こしてくれるのかと思ったけど、ベビーシッターの人はそのまましゃべりだした。
「ほぇ? なぜ
「……。……は、はぁ、どうもです……。……が、がんばり、ます……?」
「それにしてもそうか……、そうかぁ……、……いやとうぜんだよ……、今日は
ついさっきまで、はっきりした
「……はい……たぶんですけど……」って私の声は、ちょっとだけ
「よかったぁ、まともな人がいてくれて……。……すごく、ありがとう」
「えっ?」
「
「……。えぇ……?」
「きみのかわいい頭をほめたいから、なでなでするね?」
「……は……?」
ベビーシッターの人はなにを思ったのか、私の頭をいきなり両手でわしづかみにすると、
「ひぃっ――!! う、うわぁあー! ちょっ、ちょっと、なにすんですか! は、
このままじゃヤバい……!! と私が思った瞬間、ベビーシッターの人は私の頭から手を
……なにしてくれんねん……、ていうかタイヘンじゃなくてヘンタイだったわ……、とそんなことを思いながら、私は、
「……もう、なんなの……、……
そう私が
それはなんだか、ちょっとカッコいいって思っちゃうような、やさしい表情だった。でもそれは一瞬だけ。すぐに泣き顔に変わってしまって、
ベビーシッターの人は、悲しいんじゃなくて、うれしくて泣いてるっていうのは、なんとなくわかる。……でも、なんで泣いてるかは、私にはさっぱりわかんないし、なんか、そのほうがよさそうな気がする……。
ベビーシッターの人は、けっこう長いこと泣きつづけた。たまに、まるでゲボ吐いてるみたいに、おぇおぇ言ったりしながら。たぶん十分くらいかな。
ベビーシッターの人は泣きやむとすっきりした顔になった。そんで突然、まるで飛びあがるように、勢いよくその場に立ちあがった。
私はそれに
「よかった! ちゃんとまわっていたんだ! ほんとうによかった……、地球は、今日もちゃんとまわっていたんだ。あは、あはは、あはははは! イヤッホイ!! コングラチュレーションズ! これは家に帰ってバンザイサンショウしなきゃ、いや、しなければならない、いいや、しないなんてことは
ベビーシッターの人はそう言うと、その場で、めちゃめちゃうれしそうな顔をしながら、体を目いっぱい使って、「バンザイっ、バンザイっ、バンザーイっ!」と三回バンザイをした。
……もうしちゃってるじゃん、と私が頭のなかでツッコんでいると、ベビーシッターの人は、急に夕日のほうに向かって走りだした。
そして、人間とは思えないようなスピードで坂を
……足速すぎでしょ……まるでチーターじゃんか……。もしかすると、あれかもね。あの人は昔、陸上をやっていたのかも。
自分が
でもよく考えると、
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