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次の日の朝は、いつもより二時間もはやく起きた。
その分だけ寝不足なはずなのに、ぜんぜん眠くなくて、いつもより頭がシャッキリしているくらいだった。
ちょうどその日は日曜日だったから、私は思うぞんぶんインコの名前を考えることができた。だけど、なかなかいい名前が思いつかなくて、その日のあいだ私はずっと、うんうんと頭をひねっていた。
ごはんのときも私は
晴れた日曜日なのに外に遊びにも行かずに、それも、毎週かならず見ていた好きなテレビ番組のこともすっかり忘れて、私は、その日のほとんどをトリカゴの前ですごした。
自分の部屋にこもって、トリカゴを置いた
だけど、その日、私はずっと幸せだった。
その日まで、楽しいことやうれしいことはたくさんあったけど、そういうのとは違う、『
それでいろいろ考えた結果、私は、インコに『
私とおんなじ、『
なんでそんなことになったかといえば、私はそのころちょうど、
窓に近寄って外を
朝から私は「名前をつけなきゃ!」って
そのたび私は、『いま集中してるから話しかけないでっ!』って顔を返したっけ……。……いま考えると、めっちゃひどい話だね……。でも、その日の私は、それくらい真剣だったんだよ。
それで、名前が決まったときにちょうど夕ごはんができたこともあって、その
私の
「いいのぉ? わかりづらいわよ? 『
ママは、ほんのちょっぴり笑っていた。
私も、ママと同じようにからあげを口に入れてから、言葉を返した。
「……それなら、あの子のことは『ジュニア』って呼んでよ」
それを聞いてママは、ちょっぴり笑いをクスクス笑いに変えた。
「でも、あの子、女の子でしょう? ジュニアっていうのはね……パパと男の子の名前が同じときに使うものなのよ?」
「もう、いいの! 家にパパはいないんだし、関係ないよ!」
「……。……ええ、そうね……そうよね……」
せっかく
このときの私には、
そしてたぶんいまだって、私はママに、ときどきひどいことを言っちゃってるんだと思う。
……なんだかさ、そういうのって、時間が
なんどもなんども同じことをしているはずなのに。感じても、思っても、そのたびに忘れちゃう。自分はたまに、ひどいことを言っちゃうって、知らないあいだに誰かを
まるで、夜みたい。
毎日夜になることは知ってるけど、夜の暗さはあんまり覚えておけない。
だけどそれは、夜だけのことじゃないのかもしれない。
朝も夕方もおんなじ。
たまに思うもん。あれ、こんなにはっきりしていたっけ、あれぇ、こんなに赤くてぼんやりしているんだっけぇ、って。
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