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チューリップの家のほうを見ると、こっちに背を向けてはいたけど、
これはヤバいと思って、とっさに私はうつ
考えてみるとぜんぜん
目を
ヤバい、家の人に見つかったら大変なことになる、いますぐこのチューリップを
するとあたりに、『ピンピョ~ン』っていう、ちょっとマヌケな音が
チャイムの音が、
あれみたいな感じ、映画とかのスローモーションのときのやつ。
危険を感じてるから私の感覚は
――ピンピョ~ンピンピョ~ン――ピンピョ、ピンピョ、ピンピョ~ン――
おにいさんは仕事で来ているわりに、やたらとチャイムを
それからおにいさんは一分間くらいチャイムを
てっきりそのまま帰るのかと思ったけど、おにいさんはその場で体を少しかがめて、身に着けていたウエストポーチみたいなものに手をのばすと、なんかゴソゴソしはじめた。
……なにをしてるんだろう……めっちゃゴソゴソしてるけど……。
……もしかしてドロボー?
でもでも……! そしたら、私の
……ていうかあれか、あれだ、あれあれ、……
……それにしても
…………いや……それでいいのか私……バレないからって、自分がやった悪いことを、ごまかしちゃおうなんて考えるなんて……。
おにいさんは、しばらくするとこちらに振りかえった。
……よかった……ドロボーとかじゃなくて。…………てか、あのおにいさん、めちゃめちゃイケメンなんですけど。すごくカッコいい。ヤバ。ヤバいくらいカッコええ……。
ていうかそもそも、
『……ああヤバい、これは
そして、ビックリするくらい
「ああ、クソがあ! いろよ! 家にいろよお!! んのやろぉー!!」
「……えぇ」
おにいさんはまたこっちに振りかえると、ズカズカと地面を
おにいさんは完全に頭に血がのぼっているのか、道路のまんなかに寝っ転がる私にも気づいていないらしい。
そんでそのまま、頭をガリガリかいたり低くぶつぶつ言ったりしながらずんずん歩いて、すぐにチューリップたちのところまでやってきた。
それでもおにいさんは私に気がつかない。確かに視界に入ってると思うんだけどなぁ……、……完全に自分の世界に入っちゃってるって感じだ……。
そうしておにいさんが道路に出た、そのとき、私はあることに気がついて首を
おにいさんのおでこに、なにか書いてある。
目を
……誰かのイタズラ……? それとも、まさか……ファッション……かな……? ……ていうか『ひもんじ』ってなんだろ……?
おにいさんは急に
チューリップの家から少し離れたところには、
……私、いつか、ああいう
まえに
同じ
それでちょっと
だからって、あの
どうせ乗るなら、
こういうのは雰囲気がいちばん大事だと思う。やっぱり、人が
こんな近所で、それも
……ていうかそもそもあの
おにいさんは
そんで、『コの字』のなかに入って
……ていうか……なんで
おにいさんはやっぱり私には気がつかずに、私のすぐ横を
よく見ると、
やっぱり
「ざけんじゃねえぞ! …………ああ!! クソがっ、クソがあ! クソがよお!! うあぁあー!! ふざっけんじゃねえーー!!」
おにいさんはときどき、思いだしたように叫び声をあげた。
それは全力の全力ってくらいの大声だったけど、不思議と怖く感じなかった。あれに近い感じ。子イヌが
そして、夕日に
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