エンカウント

 十九。

 二十。

 ゆっくりと力を抜いた律の口許から、静かに長く息が漏れる。右のハムストリングスは薄く心地よい痛みを伴って腫れぼったい熱感を訴えていた。

 律がこなしたのは、左足を後方のベンチに乗せ、右足だけで身体の大半を支え、そのままバランスを取りながら右膝を曲げて上体を沈ませる、「ブルガリアンスクワット」と呼ばれるトレーニングである。四月に初めて試みたときには、十回でああもう無理っと諦めてしまったが、毎日欠かさずやってきたジョギングの成果か、半年でダンベルを持ちながらでも倍の回数をこなせるようになった。

 猪熊沼のほど近くにある九隅大学の文学部キャンパスは、最寄りの猪熊駅すぐ近くの経済学部キャンパスや法学部キャンパスに比べ自然に恵まれ敷地も広く、律が入学する三年前に広々とした三階建てのトレーニングルームが新設された。タオルで拭った顔で見回すと、今日も盛況である。密、と言うほどではないが、あちこちの窓を開けても追い付かないぐらい、人の肌から滲む熱気がゆっくり静かに流れている。

 好ましい運動の習慣が律にもすっかり板について久しい。結果として向上した体力、そしてほんのり誇らしい、引き締まった身体、特に腹。自慢出来るほどのものではないけれど、どうだこれいい感じだろ、と自分で誇るぐらいは許されてもよかろう。遡ること約半年、自分に失望しきっていたことを思えば……。

 望むと望まざるとによらずこの国の人間の大半が引きこもりと化さなければならなかった二〇二〇年から二〇二二年までの期間、社会は大きく変化したが、律の体型もちっとも嬉しくない変化を遂げてしまっていたのである。

 確かに元々運動はあまり好きではなかったのだ。でも背も低いしそんなに食う方でもないしまあ太りゃせんだろと思っていたのだが、二年で八キロ太った。身長が百六十七しかないのに、もう立派な小太りである。しかるに、以前のスリムというかひょろりと貧弱な律を知り、一目でその変化を見抜ける者がいなかった(なにせ、進学を機に上京して以来この夏まで一度も実家に帰っていなかった)ものだから、自身の肉体の変化を自覚する機会に恵まれなかった。

 愕然としたのは、近所で見つけた銭湯に初めて入った四月のことである。裸になって洗い場に向かおうとしたとき姿見に写った自分の身体が視界に入って、思わず悲鳴を上げそうになった。

 ……お前、おい、なんだその腹は!

 さすがに青褪めてジョギングを開始した。キャンパスでの講義が再開されたことは渡りに船で、毎日このトレーニングルームに通って身体をいじめてきた次第。体重は一番重かったときと比べてだいぶ落ちたし、それ以上にいっときは二十をゆうに超えていた体脂肪率が十まで落ちたのだから、頑張ったと自分を褒めてやることも許されよう。別に女にもてたいとか、身体を使う仕事に就きたいとか思うわけではなかったが、あのままでは自分を嫌いになりそうだったので。

 五時の鐘が聴こえてきた。

「お先」

 同じ文学部国文学科で一年のときからの知り合いである加蔵という同学年に声を掛ける。彼は片手にプロテインシェーカーを振りながら無言で頷いた。進化の過程のいつものやりとり、トレーニングルームでの日常の光景であり、加蔵だけではない、向こうでエアロバイクを漕いでいる三人組の女子学生や、修行僧のように頭を丸めてインクラインベンチプレスに励む隆々たる体躯の四年生など、もう見慣れた顔ばかり。

 ……いや、今日に限っては、そうでもない。

 入口に、見たことのない男子学生が突っ立っていた。所在なげ、というよりはもっと心細げに。誰か知り合いでもいるのだろうか? しかし、他のものは皆、自身の筋肉との対話に集中していて、その学生の存在に気付いたのは律だけであるようだ。

 紺色のTシャツとダークグレーのジーンズという取り合わせで、身長のことは律も人に大きなことは言えないが小柄で薄い身体を隠している。

 長く重たい前髪のせいで目が伺えず、その顔には大きく見える不織布のマスクによって顔の下三分の二も覆われているものだから、律にはその小柄な男がどういう顔をしているのだか、まるで判らなかった。

 そういえば俺もいい加減髪切りに行かなきゃな根元だいぶ黒くなってるもんなと、前髪をヘアピンで上げている律が思っていたら、その男子学生の視線が律に向いた。

 マスクの向こうの口が一瞬開いた気がした。どこかで会ったことがあるだろうか? どこかでって、そりゃこのキャンパスの中に決まってんだけど、と思いつつ、じいっと顔を向ける彼を見返していたら、やがて律から興味を失ったようにふっと顔の向きが変わった。

「なに」

 そこまで険悪な声を出したつもりもなかったが、彼は律の声にびくんと、ちょっと大袈裟と思われるぐらいに肩を震わせた。律は地方出身者であり、この通り金髪にしているからといってヤンキーではないので、そのリアクションにムッとするのは自分に与えられた正当な権利だと思った。

 顔のほとんどが見えない男なのに、頬を強張らせ、緊張感のある眼差しを髪の向こうから投じてきたことか律には判った。どう対応しよう、という困惑が顔の皮膚からマスクを通り抜けて届いて来るので、ちょっと溜め息を吐いて、

「俺に、何か用?」

 と声を柔らかめにチューニングして訊いてみた。

 律が声を和らげたことは男には意外だったようだ。髪の向こうにはちゃんと目がある。夏の間はさぞかし暑苦しかっただろうなと、同じく暑苦しく思いながらも夏に一度も髪を切らなかった律は同情する。

「それとも、ここ使うの初めてなのか。一階に名前書いた? あと、そんなカッコだと……」

 こちらが振りかぶれば向こうも身構える。律は別に喧嘩っ早くもないし、そもそも人と喧嘩をするのは嫌いな方だ。元は貧弱、一旦は肥満気味、結果としてスリムな身体を取り戻しただけだから、喧嘩が得意なはずもなく、ただ人よりちょっと気が強いというだけ。概ねナードの自覚で生きているもので、ちょっとの筋肉を得たぐらいで人に威圧感を与えるような真似はすべきではない。

「ひ、人を」

 十人いたら九人が「わあこいつ気ィ弱そうだなあ!」って思う。どんな集団の中にも一定の割合でいる悪人は、この声を聴いたその瞬間からこいつで遊ぼうと思うだろう。

「人を?」

「さっ……、がしに、来たんです、けど、いないので、あの、いい……いいです、お邪魔しました」

「待てよ。どんなやつ?」

 律は加蔵を振り返ったが、トイレにでも行ったのか見当たらない。

「どんな……、え、ええと」

「男とか女とか、名前とか見た目とか学籍番号とかいろいろあんだろ」

「お、おと、男、男、男の人です、名前は、名前は判りません、その、でも、僕は……、僕は、その人にお礼を言いたくて……、この大学の人なのは、間違いないので……」

 女子学生三人がこちらを見ていることに気が付いた。

 律の身長はこの男と五センチほどしか変わりないのに、この男がやけに卑屈で弱々しいものだから、はたから見たら加害者と被害者に見えてしまう懸念があった。

「ちょっと、こっち、こっち来ようか、なあ」

 咄嗟に男の、とても華奢な肩に手を回して階段へ招いたのだが、

「わ、わっ、わあっ、なに、何するんですか、やめてください助けてー!」

 などと情けない悲鳴を臆面もなく上げやがるもので、結局のところトレーニングルームから引き摺り出すに至るまで、大いに注目を浴びる羽目になり、トレーニングで流すものとは全く質の違う、冷たい汗をかいてしまった律であった。

 入口脇の自販機で缶コーヒーを買った。警戒感丸出し、顔の大半が隠れていてもそれは判る男に差し出しながら、

「人探してるって言ったよな」

 律は言ったが、植え込みの縁石にちんまり座った男は冷たい缶に手を伸ばそうとはしない。

「……悪かったよ。別に怖がらせようとしたんじゃなくってだな」

 ポケットの中にしまったままだったマスクをして、「三摩律。国文学科の二年生」と自己紹介をした。

「……ヤツカアオイです。……同じく国文学科の二年生」

 ぼそぼそと小さな声で彼は返して、ようやく缶コーヒーを受け取った。どういう字を書くんだろう、というごく素朴な疑問が目に立ち上ったところを見たのだろう、

「弓矢の『矢』に、『束』で、アオイは草かんむりに倉の」

 と、矢束蒼は言葉を付け加えた。逆に問うてこなかったのは多分、別に興味がないからだろうなと、律は気分を害することもしない。

 いただきます、と呟いて、マスクをずらした彼の隣に少し間を開けて腰を下ろし、見るともなしにその横顔を伺う。日陰のもやし、ということはTシャツから伸びた腕で思ったが、頬も真っ白である。剥いた玉ねぎのようにつるつるの肌がちょっと羨ましかった。

「僕が探している人は……、身体が、その、強そうだったんです、鍛えてるって感じで……」

 矢束蒼がぽつぽつと喋り始めた。声が小さい。二人から少し離れたところをスマートフォンで誰かと話しながら歩いて行く英文学部生の声のほうが大きいぐらいだ。

「だから、ひょっとしたらトレーニングルームにいるのかなって、そう思って、下から順に見て行って……」

「それで、見付からなかった? ……身体強そうってどんぐらい? 背ぇ高いの?」

 こくん、矢束が頷いた。矢束は律以上に背が小さいから、だいたい百七十五を超えると「背ぇ高いな」と思う感覚を持っていると考えて良さそうだ。

「何人かはいるけどな、名前知らんやつも多いけど」

 例えば、加蔵も背は高い、百八十一あると言っていた。「百八十一系だ」「けい?」「知らないのか、『特急城ヶ崎』に使われていた車両だぞ」……そんな話をしたので覚えている。ぼんやりした律に「そうか、お前は北陸出身だったな。身長は幾つだ」と問い、百六十七だと答えたら「羨ましい、急行型の名車じゃないか」と言われた。加蔵は休みのたびに電車に乗ってあちこち行く鉄オタである。

「そんで、……お礼言いたいって言ってたな、その、えー、逞しくて背の高いやつに、なんかしてもらったの?」

 矢束は缶を空にして、ごちそうさまです、と小さな声で紡ぐ唇を見せてから、マスクの中に仕舞った。彼はそのまま言葉も奥にしまい込んでしまったみたいに黙りこくり、やや俯き加減。律は肩をすくめて、まあ大きなお世話だよな、と。

「……あなたみたいな、しっかりした感じの人は、そういうことないのかもしれないですけど……」

 もの憂げな声がやや唐突な感じに、立ち上がろうとした律を制した。

 長く重たい前髪の奥にある目がようやくちょっとだけ見えた。

 鋭い三白眼だった。

「僕は、……あんまり、呑み会とかそういうのが、好きじゃなくて……、でも、誘われたら断りづらいし、本当はだから誘わないでもらいないなって思うんですよ」

「……ん、ちょっと待って何の話?」

「その人の話です、僕が探してる、その人の話ですよ」

「そいつが、あんたを呑み会に誘ったの?」

 いいえ、と矢束はかぶりを振った。その拍子にまた、彼の目は前髪に塞がれた。

「サークルの人たちです。僕は『まろうど』というサークルに所属していて……、『月日は百代の過客にして行き交う人もまた旅人なり』」

 ここで矢束が顔を向ける。

 わかるわい。

「芭蕉研究のサークルなんだな?」

「コロナ禍で、どこにも行けません。だからと言って呑み会をしようっていうのは、僕には判らなかったんです。でも、来いって言われて、お酒、……僕お酒弱いんですよ、美味しいとも思わないし、なのに呑まされて、駅で気持ち悪くなって動けなくなってたんです」

 ようやく話が見えてきた。

「そこに、その男が助けに来たと」

「いいえ」

「違うのかよ」

「……せっかちだって言われません?」

 大きなお世話だよ。

「少しだけ具合良くなって、電車に乗ろうと思って。でも気が付いたら……、怖い人に囲まれてしまっていました。僕がふらふらして、肩がぶつかったとかなんとか。向こうも酔っ払いでした、サラリーマンだと思います、三人組で、大きな人たちでした……」

 そのときの恐怖が蘇ったのだろう、矢束は半袖から伸びる細い右手で自身の左腕を掴んだ。その先の話は読めたが、せっかちだと言われるのが癪で律は黙っていた。

「そこに、……その人が来たんです。僕を、……守ってくれました。もちろん、暴力とかではなくて、……すごく、すごく紳士的に。その人はこう言って酔っ払いのおじさんたちを追い払ってくれたんです」

 見たまえ。

 怯えているではないか。貴君らは、見たところ社会人のようだ。その恵まれた体躯は権勢を誇るためではなく、世のため人々のためにこそ用いられて然るべきものではないかね!

「……そいつは、本当にそう言ったのか? その、なんていうか……」

 こくん、矢束は頷いた上で「一言一句この通りに」と付け足したが、俄には信じられない話だった。

 まともじゃないだろ、そんなやつ。「見たまえ」「諸君」「ないかね」なんて、芝居がかった台詞を公共の場で並べるなんて。

「……そいつは、マジでこの大学の学生なのかよ」

 これまでで一番、はっきりとした確信を持った頷きかたを、矢束はした。

「ご本人が、そう仰っていました」

 名乗るほどの者でもないが、九隅大学に籍を置いている。

「いや名乗れよ」

 矢束に言ったところで意味はないが、思わず口から溢れてしまった。

「……身体は大きいけど、マスク越しでも僕らとあんまり変わらないぐらいの若い人だって思いました。ラフな格好でしたし、茶髪でした、就活してる感じじゃないなと思いました」

「見た目は普通の学生なのに、そんな喋りかたしてる奴なんて……、居たらめちゃめちゃ目立ちそうなもんだけどな」

「ですが、この三日間探し続けても一向に見付からないんです。……ひょっとしたら経済学部とかなのかなって思ったりもしたんですけど……、ああそうだ」

 矢束が、ぽん、と両手を叩き合わせた。

「思い出しました。その人は、最後にこう言ったんです」

 私は名乗るほどの者でもない、……しかし、もしも君が私のことを呼ぶための名前を求めるならば、こう答えよう。

 私は、九隅大学の「王子」だ。

「そんなもん絶対まともなやつじゃねえだろ探すのなんてやめちまえよ」

「『王子くん』という学生がいないかどうか調べたんですけど、一人もいないみたいです」

 矢束はマイペースに、大いに残念がって首を振った。どうも、この前髪のボリューム感以外は貧弱な男子学生は怖がりのくせにのんきものであるらしい。

「僕は、……そんな貴い立場の方の手を煩わせてしまったのみならず、お礼の一言も言えなかったんです。酔っていたとは言え、情けないし、恥ずかしいです」

「宗教だろそんなの。カルトだカルト。おおかたお前みたいにちっちゃくて弱そうなのに付け込んでどうにかしてやれって魂胆に決まってる。すげえ高い壺売りつけられんぞ」

「王子様はそんなことしません」

「そもそも『王子様』なんてもんはこの国にはいないんだよ」

「ええそうでしょう、それはそうでしょうね。僕はでも、あの方がご自身のことをそう表現なさったのですから、それを尊重します。探すのだって諦めません。なんらかの、いま三摩くんが言ったみたいな団体に所属している人だったとしても、王子様のお陰で僕が無事におうちに帰れて、今も元気でいるっていうことは事実ですから」

 夕風が吹いて、矢束の前髪を揺らした。夏の終わりのこの時間は、沼の水面を撫ぜて届く強い北風が独特の臭気を伴って届き、トレーニングのあとの身体に堪えるのだが、その瞬間にわかに律は嗅覚を失った。

 矢束の重たい前髪が、風の指に絡まれて持ち上がり、手遊びの結果として散らされた。伸び放題にしているわりには不潔感やあぶらっけのない髪だとは思ったが、髪の毛先が光の粉を撒いたみたいにちらちら煌めいたことには意外を通り越して驚きを覚えた。

 額が露わになり、両眼と額が白日のもとに晒された。どうせボサボサな眉してんだろうなと思ったら、意外にと言っては失礼か、丹念に整えられている。鋭さのある双眸との積として、存外爽やかな印象を受けた。

 風が収まり、ドアを閉めるように矢束の顔は見えなくなった。

 先程見たマスクの中と合わせて、律は矢束の全貌を見たことになる。端的に言って、トータルの印象は好ましいものだった。

 それだけに、こいつはどうしてこんなに前髪が長いんだろうと思ったし、この面をして「王子様」なんて求めるのは滑稽だとも思ったし、いかにも弱々しい振る舞いは、余計なお世話だと思われるに決まっているけれど、ちょっと心配になった。

 その「王子様」が聴いた限り信じられないレベルで格好を付けて矢束を救い出したのは、矢束の相貌の優れていることを見抜いたからではなかろうか……、なんてことまで、律は思ってしまった。つまり「王子様」は矢束というよりは男に対してそういう振る舞いが自然と出来る感覚の持ち主、なんてことを。

 そして、「王子様」を求める気持ちがあるというのは、……矢束蒼自身の中に、自覚的なものかそうでないかは判然としないにせよ、近しい類の感情があるからではないか。これは、もちろんだいぶうがった見方であるということは理解しているが。

「手伝ってもらえませんか」

 髪の向こうの双眸が、律を見つめていた。

「……何を」

「決まっているじゃありませんか、王子様探しです」

 やだよ、と瞬時に言うことは出来かねた。別に「王子様」に対してそれほど強い興味が湧いているわけでもない。しかしこの自分より小さくてずっと弱々しい矢束蒼が、おどおどしながら学内を「王子様」探しに彷徨き回っている様子を見かけるたびに、気が滅入りそうだとは思った。

「探すって、どうやって」

「わかりません。ですから、三摩くんにもアイディア出して欲しいです」

 だいぶ勝手なことを言っている自覚、この男の中にあるのだろうか? 前髪が下りてしまうと、たちまち考えていることが判らなくなる。気が弱いのだか強いのだか読み取りにくくて、扱いづらいことは間違いない。

「……お前、どこ住んでんの」

 山北台です、と矢束は答えた。二つ隣の駅だ。

「三摩くんは?」

「猪熊駅の向こう。……じゃあ、このあと、そうだな、六時に北口のデッキのところに来いよ。飯食いながら一緒に考えてやるから」

 立ち上がった律を見上げる矢束のマスクの中で、口が丸く開いた。意外だ、と思っているのだろう。

 律自身も意外である。こういう目的を帯びて自分が行動するという判断が、とても。

 矢束も立ち上がって、

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

 と丁寧にお辞儀をして、顔を上げたとき、また一瞬、矢束の前髪が風に吹かれてその左目だけが見えた。

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