用語説明 原物質(オリジン)とは
私の書く物語で魔法が使える世界を描く時に使われるアイデアの一つに原物質(オリジン)と言うものがあります。
要は、魔力を使って魔法を発現させるのに便利な謎の物質を原物質と呼んでいます。
事の始まりは、理系のこだわりと言うか、そもそも話はファンタジー(しっかりした考証が出来ないんで、SFと言い切る自信は無い)なんだから、そんな事を考えなくても良いじゃん、とか思う事もあるんですが、魔法が使えるのに、何かしら理由が欲しい訳で、それと、現代もで魔法が使える様になると楽しいので、この世界で今現在一般的に魔法が使えない理由を捻り出したました。
その答えが、原物質です。
私の中では、原物質は、いずれ物質やエネルギーになる可能性を秘めた未分化(未だそうなっていない位の意味です)の物質やエネルギーの元、位の意味で定義しています。
ついでに言えば、原物質≒エーテル≒ダークマター+ダークエネルギーだと良いなぁ、とか考えています。
”エーテル”は、古典物理の世界で”宇宙に満ちている光の波動を伝搬する媒質”と定義されていました。私が書く物語では”魔法の力を伝搬する媒質”扱いになります。
対して”ダークマター”は、質量を持つが、物質とはほとんど相互作用せず、光学的に直接観測できないが、銀河系内に遍く存在するもの、と定義されています。その総量は凡そ宇宙にあると想定され観測可能とされている物質の総量の5.47倍になります。
更に”ダークエネルギー”に至っては、宇宙全体に広がって負の圧力を持ち実質的に「反発する重力」としての効果を及ぼしている仮想的なエネルギーであるとされています。
要は現在観測されている事実を今ある宇宙理論に当てはめると、宇宙の加速膨張のエネルギー源や、宇宙に無ければならない大半の質量が正体不明であるという事になるので、とりあえずこういうものを想定してそれで正しい事にしましょうと言うご都合主義的エネルギー体の事で、その総量は凡そ宇宙にあると想定され、観測可能とされている物質の総量の13.94倍に達します。
実にダークマターと合わせると全宇宙の95.1%が謎物質・謎エネルギーで構成されていることになるそうなのです。
それなら、こいつらをエーテル扱いしてもいいんじゃね?!少なくとも、宇宙にあまねく偏在する、と言うところまでは合ってたわけだし、用語の定義が文明の進展に合わせて変わる事なんて普通だよね、と言う暴論で、”原物質”=与えられる刺激で何にも出変貌する謎の存在、と言うものを想定して、全部押し込める事にしたのが始まりです。
私たちが住むこの世界を含むドゥームの世界では、通常の物質は宇宙の総量の5%ちょっとしかなく、残りの約95%は原物質で満たされています。
この”原物質”がどういうものかと言うと、与えられた刺激に反応して、実に様々な形に分化します。
ドゥームでは人が魔法を使う場合、魔素受容組織に魔力を流し、どの様な現象を望むのかを考えます。
魔素受容組織に流された魔力と思考は、原物質に伝わり、原物質は思考内容に沿って分化(変化)します。
要は、拾ってきた薪に火を付けたい考えた時に、魔力を込めて”炎あれ”と願えば、込めた魔力に応じた炎が発生し、薪に火が付きます。その後、込めた魔力が尽きて魔法の炎が消えても、薪に火がついていれば、問題なく燃え続ける事が出来る。と言う訳です。
原物質は、込められた思考によって、エネルギーにも物質にも分岐します。要は石礫飛ばす魔法を考えて魔力を込めれば、原物質は石礫に分岐して考えた方向に飛んでいきます。ただし、そこに元からある石礫を指定の方向に飛ばすためのエネルギー=魔力と何もない状態で足礫を発生させ指定の方向に飛ばすための魔力、あるいは、此処には無いので、他所から一礫を引き寄せ指定の方向に飛ばすための魔力が同じである訳がありません。保有する魔力と願う現象によっては魔法が発動しない事もあり得ます。また、同じ量の魔力を消費しても発生する現象に相違が生じる事があります。要は向き不向きで同じ魔力で同じ現象を願っても結果に相違が出る事があるのです。これを適性と呼びます。
現象として実現された後は、現実の世界の物理的影響を受けます。
例えば、魔法で打ち出された石礫は、大きさ・重さ。形状などによって、飛びながら重力や空気抵抗の影響と受け、やがて力尽きると落下しする事になります。
また、魔法によって原物質が分化して生成された物質は、極めて安定した存在として現実に実在する事になります。逆に原物質の影響で生成されたエネルギー体は、不安定で生成に使われた魔力相当のエネルギーを使い切ると消滅します。この現象による原物質自体への影響は原則ありません。
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