第8話 ティアレス復活!

あれから1時間…

ティアレスの消耗は激しい。

時折ビクッと跳ねる身体。

全ての毒がティアレスの体内を徐々に侵食しているらしい。

「ココア…眼から出血したらティアレスの首を落とせ。」

ウルレアの毒は怖い。「麻痺毒」

引き抜いたら一気に脳を麻痺させる。

引抜かなくても血液に溶けて脳に廻る。

ティアレスは毒矢を抜いてなく、うつ伏せの状態。

二つ目は「昏睡毒」

引き抜いたら全ての機能が一瞬で眠る。

引抜かなくても徐々に細胞単位で昏睡状態になる。脳が眠ると心臓も眠る。(血液循環が止まる。)

三つ目の「出血毒」

引き抜いたら一気に全ての穴から血が吹き出る。

引抜かなくても徐々に出血する。


ティアレスの足の毛穴から出血し始めた頃、ウルレアとアクアが帰ってきた。


ウルレアが謝罪する。

「ごめんなちゃいっ!3つの毒を消す効果薬を作るのに時間かかっちゃった…」

アクアは、「その言葉使いは何とかならんのか?さっさとその薬をティアレスに飲ましやがれ!」

と、ブチ切れ寸前。

「ヒィッ…」と言いながらウルレアがティアレスに飲まそうと近づいたら、ココアが攻撃しようとしたので抱きついて止めた。

その時、ココアの耳元で「旦那が助かる為に抑えなさい。」

そして、いきなりウルレアから申し出があった。

「この薬を、ココアさんでしたっけ?口移しで与えて下さーい。」

皆はティアレスの身体を起こして支える。

ウルレアが助言する。

「飲ませたのを確認したら矢を引き抜きまっす。ゴクリの音で判断しまちゅ。指示は任せてちょんまげ〜。」

本気なのかは解らない口調にココアは信用できなかったが、ミリアの真剣な顔で理解した。

そしてココアが薬を口に含んでティアレスの半開きの口に舌を入れて薬を流し込む。

ティアレスの口腔内は乾いてたのか、薬を食道に受け入れて「ゴクリ!」と音を発した。

ゴクリから少し経ってから、3本の矢をウルレアの指示で引き抜いた。

そしてティアレスを寝かせて三人は見守る。

しばらくして、ティアレスは眼を覚まして1言。

「河の向こう側に祖父母がいた。渡ろうとしたら大声で怒られた。」

ミリアは言った。

「ふぅん。そこには死んだはずのあんたの両親はいなかった訳ね。だったらまだ生きてるかもね。」

ティアレスは「はぁ?」な顔をしていた。

どういう事で義姉が言ったのかが理解不能。

解るのは「嫁を死なせない!」自分の生命に代えても!の想いが、心が!彼を動かすのでした。








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