第9話 ラスボス登場!VS魔王戦!

魔王襲来を知らせる警報の鐘が鳴り響く王宮を俺は走る。

そう、俺は勇者。魔王と戦う定めにある男・・・。

ついに魔王との最終決戦、長い旅だった・・・。

・・・アレ?俺、死後勇者召喚されたこの王宮から一歩も外に出てないんじゃね?

つか、戦闘すら一回もやってねぇ。魔王の「縮小呪術」を一回レジストしただけだ。


まあ、こまけぇこたぁいいんだよ。

細かい小さい狭いは俺の敵だ。男ならでっかく生きようぜ。


魔女メディア「王宮庭園に魔王を足止めしています!決戦はそこで!」


了解!急ごう!

途中、王様のいる玉座の間を通り過ぎる。


俺「王様ぁ!魔王殺してくる!報酬ヨロシク!」


王「おお、無論だ!何を望む?」


俺「そうだな・・・飛行魔法でも教えてくれよ!」


王様の答えを聞く間も無く俺は玉座の間を通り過ぎる。

飛行魔法いいよね。浮遊感と開放感、自由に飛べたら最高じゃね?

(以前、空を飛びたくて飛行機に乗った事があるが、機内の密閉感がキツくてな)


そして、最終決戦の場、王宮庭園に到着した。

お、名前は知らんが見たことがある騎士団長氏がいるな。

あと、イケオジ執事のノーマン氏もすでに戦闘中みたいだ。


イケオジ「お待ちしておりました勇者様!」


俺「応!ヒーロー参上、俺が勇者だ!」


って、魔王はアレか。なんか地面にめり込んでね?モグラかな?


魔王「はーはっはっは!拘束魔法で俺を縛ったつもりのようだが・・・俺は縛られると元気になるんだ!もっと縛ってくれ!あひゃひゃひゃ!」


へ、変態だー!


魔女メディア「クレイゴーレム召喚!」

魔術師団「クレイゴーレム召喚!」


おお、ゴーレム!大地から巨人が現れる。でかい!湾岸ガン〇ムみたいだ!


魔女メディア「ひれふせ!」


ぐしゃぁ!ゴーレムの巨大な足が魔王を蹴りつけ、踏みにじる。


魔王「ハヒー!踏んで!もっと踏んで!」


うわぁキッショ・・・こいつ普通の変態じゃねぇ・・・完全変態だ・・・

なんかスンゲー興奮してるし、ちょっとレベルが高すぎる。


っていうか、「狭くて・拘束されて・集団でボコられる」とパワーアップするんだな、こいつ。んで、世界そのものを縮小化できる。こんなん倒しようにないだろ。無理ゲー過ぎる。そりゃ王国軍も敗退するわな。


わかってきたよ。

くてされてしてるのを地球上の誰よりも嫌っているのが俺だったんだな。だから勇者に選ばれた。あの変態魔王に対する特攻勇者として。

だから俺が奇跡を願うと、魔王の呪術がキャンセルされる。なるほどね。

ヨシ!だったらやることはひとつ!

魔王討伐作戦開始だ!


俺「ノーマン執事!俺をヤツのそばに運んでくれ!騎士団長!一発デカいのをぶちかまして隙を作ってくれ!メディアの姉御!全員退避させて・・・俺と魔王を飛行魔法で空中に吹っ飛ばしてくれ!」


一同「了解!」


俺「魔王と俺で、タイマンだ!」


****


次回最終回!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る