第8話 深淵を覗く者
魔女メディア「狭い場所を好む魔王は、下水道を通じて王都に潜入、王宮の玉座の間まで侵入してきました」
魔王のフットワークが軽すぎる件。
メディア「魔王は縮小呪術による奇襲攻撃を玉座の間に行いました。職務中だったジョン王以下大臣や騎士団長など王国中枢が巻き込まれ、大混乱となりました。」
斬首作戦ってやつか。前口上だの宣戦布告だのナシで、黙って奇襲が最強だよな。
メ「こんなこともあろうかと私が仕掛けておいた呪術トラップが発動して魔王の奇襲呪術は不発となりましたが・・・」
魔女氏がワンオペで何でもこなしてしまう件。もうこいつ一人でいいんじゃないかな。
メ「国家中枢が麻痺する一瞬の隙を突いて、魔王四天王が我が国に侵攻してきました。」
出た!四天王!5人いるんだろ?
メ「地底王国には大きな地下空間が5か所あり、最大の空間がこの王都がある『王都大陸』・・・残りの地下空間、『草原大陸』『山岳大陸』『湖沼大陸』『大海洋』の4か所に、四天王が同時侵攻してきたのです・・・」
魔女氏が合図をすると、部下の宮廷魔術師たちが入室してきて、大きな地図を広げる。これ王国の地図だな。各地の状況が記入されている。
四天王のデータを見ると、ゴジ〇にギド〇・・・巨大怪獣じゃねえか!なんかガメ〇みたいのもいるし。勇者じゃなくてウルト〇マンを呼べよ。
メ「ただちに全住民を脱出させ、4大陸は放棄、王都大陸に兵力を集めたのですが・・・」
判断が早い!
メ「その後の結果は勇者様がご覧になった通り、事実上の敗北・・・」
魔女氏が4大陸を転戦している留守中に本丸である王都大陸に縮小呪術を掛けられ、レジストできなかったらしい。ワンオペの弊害・・・。
やむなく勇者召喚に頼るほか無かった、と、平伏して謝罪する魔女氏。
怒ってないから、そういうのマジでやめて!なんか部下の魔術師たちや騎士たちも平伏してるしマジで勘弁してくれ。そういうのいいから!
謝罪要求とか、金銭を要求とか、そんな了見の狭い事しないから!俺の心は宇宙のごとく広いから!
俺「じゃ俺はまずその四天王を勇者の力で各個撃破して大陸を開放しつつ侵攻、って感じか?」
いいよね、開放って言葉。俺大好き。
メ「いえ、四天王は全員死亡しています」
まさかの四天王全員討伐済み。展開が早い!
メ「・・・4大陸を奪った魔王は、もう用済みとばかりに四天王もろとも4大陸に縮小呪術をかけたのです・・・」
おいやめろ
メ「大陸占領のため駐留していた四天王たちは、その巨体を縮小された空間に潰されて・・・」
GYAAAAAA!!やめてくれ!そんな死に方イヤだ!
なんだよそれ、魔王頭おかしい・・・
・・・突然、警報の鐘が王宮内に鳴り響く。
「魔王襲来!魔王襲来!第一戦闘態勢に移行!」
伝令が走り、王宮内は騒然となる。
メ「お話の途中でしたが・・・勇者様、出撃のご準備を!」
ええぇ・・・いきなりラスボス戦ですか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます