第5話 王都開放、そして翔べ!
【前回までのあらすじ】
平和な地底王国に、突如襲い掛かる魔王の魔の手・・・
(魔王の黒いシルエットが背景に浮かび上がる)
「縮小呪術」を自在に操る魔王は、王国の国土を次々と「縮小」し、瞬く間に滅ぼしていった・・・
魔王「抵抗は無意味だ」
王国が誇る騎士団も、精鋭魔術師団も勇戦むなしく撤退を余儀なくされ、滅亡が目の前に迫る。(ここで崩壊する城壁のイメージ映像 なお魔王は縮小してるだけなので崩壊はしていない)
国家存亡の危機にあたり、名君の誉れ高きジョン18世国王は「勇者召喚」の発動を命じた。
国王「筆頭魔術師メディアよ!地上から勇者様を召喚するのだ!」
この絶体絶命の危機を救えるのは、地上から召喚された勇者、つまり、あなただけなのです!
(ここでチープなオープニングメロディーと共にタイトル画面がドーン!)
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どうやら俺は本物の勇者だったらしい。
発動した俺の「奇跡魔法」とやらは魔王の呪術を打ち破り、クッソ狭かった地底王国が少しづつ広くなっていく・・・
や、やったか?
そこで俺の魔力的な何かが尽きたらしく、意識が遠のいて・・・
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ここはどこ?ワタシはダレ?ゆっくりと意識が覚醒していく。
うわ、くさい!なんだこの腐臭!
国王「おお、勇者殿、死んでしまわれたが大丈夫、生き返りましたぞ!」
王様てめぇ息くせえんだよ!
国王「落ち着いて聞いてください」
とにかく離れろ!俺のパーソナルスペースは広いんだよ!
魔女の姉御と交代しろ!
国王「筆頭魔術師メディアは過労で倒れてしまってな」
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魔王の「縮小呪術」が打破されて、元のサイズに戻った王宮。
その宮殿の一室で、俺は治療を受けていた。
執事「私、治療魔法を心得ております。勇者様の体力回復を担当させていただきます。」
イケオジの執事が俺の治療をしてくれるようだ。
広々とした室内・・・窓の外には広々とした庭園。
俺、事故で潰れて圧縮死して以来、ようやくマトモな広さの空間にありつけたよ。
地底なので天井があるのがネックだが、イケオジ執事の治療魔法も効いているのか動悸はだいぶん収まってきた。
魔女のネーチャン大丈夫だろうか。
聞けば、過労死寸前の状態だったとのこと。
魔王軍との戦闘に始まり、王国民の避難誘導と救護、さらに勇者召喚、そして勇者に蘇生魔法、もういっかい勇者に蘇生魔法・・・
あれ?俺何回死んだんだ?
地上で事故死、地下で閉所恐怖症スペシャルコンボ発動してショック死、奇跡魔法発動で魔力が尽きて衰弱死・・・
なんか死に過ぎてアイデンティティが崩壊しそうだ。
ってか、なんなんだよこの世界。
ずっと閉所恐怖症でパニック状態だったからそれどころじゃなかったけどさ。
落ち着いてみたらこの状況に説明を求めたい。
治療には時間がかかりそうだし、イケオジ執事と雑談して情報収集するか。
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【次回予告】
次回:「イケオジ執事のノーマン氏」
俺「あー地上に帰りたい」
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