第4話 いいですか、落ち着いて聞いてください

【ここまでのあらすじ】

①閉所恐怖症と拘束恐怖症、さらに群衆恐怖症と密閉恐怖症も併発してる俺氏、クッソ狭い地底洞窟世界に勇者召喚されて強迫きょうはく神経症スペシャルコンボが発動し無事死亡


***


ここはどこ?ワタシはダレ?ゆっくりと意識が覚醒していく。

・・・えっマジでココはドコ?


魔女メディア「勇者様、よろしいでしょうか?落ち着いて聞いて下さい。」


おお、落ち着いてるぞ。誰だっけこの魔女っぽい美人さん。


魔女「あなたは先ほど一度死にました。」


なんとなく二度ほど死んだ気がするけど・・・。


魔女「大丈夫です。勇者は不死。死なないのです。今、私が蘇生魔法で生き返らせました。」


マジかよスゲー。っていうか、ここドコよ?


魔女「あなたがいる、この場所は地底王国。地底王国王宮です。地上世界から私が勇者召喚しました。魔王による呪術で・・・」


あばばばば、お、お、お、思い出してきたぁ。圧迫感ものすげぇクソ狭い洞窟に閉じ込められたんだよな俺、ひぃぃぃぃ!

心拍数が上昇し過呼吸が入り始める。


魔女「まずい!これは・・・またもや魔王の呪術、『恐怖』か・・・鎮静魔法!」


魔女の姉御が放つ眩しい光が俺の脳天を直撃!全身が激しくケイレンする。

ハヒー。頭がボワっとして心拍が落ち着く。


魔女「いいですか、落ち着いて聞いてください。」


おお、落ち着いてるぞ、魔女の姉御、さっきのをもう一発くれ。


魔女「勇者様には、魔王の呪術に対抗でききる『奇跡魔法』のチカラがあります。奇跡魔法を使ってください。魔王の呪術など簡単に消し去る事ができるはずです。」


俺「きせき、まほう?」


ハハハ、残念だったな、俺はただの狭いところが怖いだけのチンケな男・・・そんな魔法など使えるはずが・・・って、なんか俺の体から魔法的なオーラっぽいものが出てきてるんですけどー!


周辺にスシ詰めになってる王宮の使用人たちや避難民の王国民たちが、俺の放つチャクラ的な「気」の光にどよめいている。


魔女「そうです、それを発動してください!」


なんか魔女氏が俺の体に魔法陣的な何かを描き、サポートしてくれてるっぽい。

発動ってどうすれば・・・強迫神経症だったらトリプルコンボ発動できるんだけど・・・って、こうか!魔女氏のサポートのおかげか、なんか発動方法がわかっちゃったっぽい系の何か。


俺「奇跡魔法発動!どりゃああぁぁぁああ!」


狭いんだよチクショアァァァアア!

クソ魔王死ねやこらぁぁああ!


奇跡が・・・発動した!

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