第二十話 共通の趣味

毎度毎度朝ってもんは憂鬱になるなあ。


「おはようございます!!」

「おはよ……….。今日も朝ごはん作ってくれてる。神様!!」

「な、何ですか改まって!?」

「いや、君の作る料理が美味しすぎてさ」

「むっ」

「え?」

「むーー!!!」

「え……あ、結菜ちゃんが作ってくれた料理が美味しいからさ」

「あ、えと、あのその…………ありがとうございます…」


言わせておいてその反応はなしやん。

そして可愛すぎるからやめて。朝からとんでもないもの見せられた眼福ですありがとうございます。


うん、朝ごはんがいつも通りバカうまい!!!

これ食べると憂鬱な気分が吹っ飛ぶからありがたい。



「じゃあ学校行ってきますねー」

「いってらっしゃい」

「はいっ!」


1,2限が空いている俺は、彼女と共に家を出ることなくゴロゴロする。

……………………暇だ。バカほど暇だ。

いつもの俺って何してるんだ?もうすぐレポートの提出日だからレポート…は終わってる。

じゃあ期末テストの勉強……はあと三週間後だからそこまでやらなくていい。

課題は……普通に終わってる。



やばい!!やることねえ!!!!!



俺ってもしかして、趣味ない???

確かに、自己紹介の時に「趣味は何ですか」って今聞かれると………相当困るな。

あ、そうだ。彼女がおすすめしてた本、ここに置いてあるから読んでみようかな。

推理小説とか読んだことないから読んでみるか!




———めっちゃ面白いやん。

何で俺は今まで推理小説を読んでこなかったのか。最近本読んでなかったけど、やっぱり面白いな。

他になんかないのかな…?ちょっと探してみよ、って……今12:30?3限って13:00だよな?


30分しかねえじゃねえかよ!!


読者って没頭したらこんな時間過ぎるの早いのか!?

あっぶな、今時計見てなかったら確実に2時間遅刻するとこだったわ。


全力で自転車を漕ぎ、なんとか授業5,6分前に着いた。


「はあ…はあ………」

「梗介どうした!?」

「いやさ……本読んでたらギリギリなった……」

「本?お前そんな読んでたの?」

「いや、推理小説を初めて読んでみたらめちゃくちゃハマっちゃって。軽く3時間は読んでた」

「どんだけ読んでんだよ。午前中の時間全部読書してんじゃねえか」


俺が読む小説は、大体純文学だったから新鮮だったな。

今度彼女に他のおすすめの本とか聞いてみるか。

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