第十八話 好きなタイプと一ヶ月記念日
「じゃあ隣失礼するね」
「はい!」
「どうぞ」
なんか急に三人で食べることになったんですけど。
女性と喋る機会ないから、正直気まずい。
頼む隼、なんとか会話してくれ…。この沈黙俺には耐えれねえ。
「あ、ひとつ聞いても良いっすか?」
「………」
「あの〜…」
「?私に聞いてる?」
「それ以外いないでしょ!」
「そっか」
「好きなタイプとか……ど、どうなんすか!?」
「なんで教えなきゃいけないの」
「ぐはっ」
「……優しい人」
そんだけ?それめちゃくちゃ色んな人当てはまるけど。ちょっと気になっちゃったから俺も聞いてみよ。
「それ以外はなんかないんですか」
「え、ん〜……なんだろ。シリアスな人?」
「へ〜、カッコよくてシリアスな人……なかなか居なそうですね」
「俺とかよくないですか!?」
「「どこがたよ」」
「声揃えて言わないでよ…」
「「どうみてもシリアスじゃない」」
「くそぅ。シリアスな男になって出直してきます……!」
おう出直してこい。でも陰ながら応援しよ。
「逆に二人はどんな人がタイプなの?」
うわ、いざ聞かれてみると全然わかんねえな。
「俺は和田さんみたいな人がタイプです!」
「はいはい」
「うん、知ってた」
「俺か……分かんないな」
「教えて」
「え」
「教えて」
「えぇ……え、っと…………可愛い人、とか?」
いや、可愛い人がタイプかと言われると、でも綺麗か可愛いと言われると可愛い系?だし…分からん。
「……他は?」
「他……趣味が合う人かな」
「どんな趣味?」
趣味が合うって言っちゃったけど…….俺の趣味ってなんだ??
ん〜…………
「読書、かな」
「お前かっこよ」
「読書ね、わかった!」
いや何が???
それから特に何か特別なことがあるでもなく、平穏に過ごしたのであった。
「お帰りなさい!」
「あ、ああ…ただいま」
「卵焼き!!作りました!!!!」
「そう…なのね」
「え、嬉しく……ないんですか………?」
「いやばか嬉しいよすぐお風呂入ってきます」
朝言ってたやつか……でもなんで?????
ま、まあ良いか…風呂入ろ。
てか、普通に沸かしてあるの最高すぎ。
「上がったよ〜」
「はーい。それじゃ、ご飯にしますかっ!」
おお…!なんか今日いつにも増して気合い入ってんだけど、どうした?今日なんかあったっけ??
「どうしたの今日?めちゃくちゃ気合い入ってるけど…」
「今日は〜、私たちが出会って丁度一ヶ月ということで!ちょっと本気出しました!!!!」
おお…!それは楽しみ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます