第十四話 呑んだ後日の大学の一日
「あ、おはようございます」
「う"ーん……お、はよう……」
「ふふ、相変わらず朝弱いですね」
「まあね、今日はお酒が入ってるのもあるけど、毎日朝が憂鬱だわ」
「気持ちはわかりますけどね」
朝起きて彼女に「おはようございます」を言われるのが習慣になりつつある今日この頃。
そういえば、この子が家に来てからそろそろ3週間か…。意外と時間が経つのは早いな。
「どうしました?」
「いや何も、ちょっと考え事してただけ」
「そうですか、あっ、ちなみに今日の朝ごはんは焼き鮭と納豆とほうれん草のおひたし、あさりの味噌汁ですよ」
「神?」
「自分では気づいてなかったのかもですけど、昨日帰ってきた時、結構酔ってたっぽかったので味噌汁用意しました。あ、お兄さんは朝食をあまり食べるタイプではなさそうなのでご飯は少なめにしてます」
か、神すぎないか…?
俺のこと分かりすぎてて、凄いを超えて怖い。
「あ、今日ってバイトあります?」
「今日?今日はシフト入ってないよ」
「でしたら、帰ってきたら買い物に付き合ってもらえませんか?」
「買い物?良いけど」
「ありがとうございます」
なんか買いたいものがあるんだろう、今日は早めに帰ってきて買い物に付き合おうと思いつつ、朝食を食べる。
うん、今日も美味い。
「今日も美味い」
「そうですか?ありがとうございます」
心の声漏れてたわ、てか味噌汁うっま。
あんまり酒飲まないから、二日酔いで味噌汁を飲む理由がわからなかったけど今ならわかる。
不足してた栄養が一気に摂取できてる気がする。あとめっちゃ喉乾いてたからっていうのもある。
あっという間にご飯を平らげ、二日酔いの気持ち悪い感じも緩和されたところで彼女と一緒に学校へ向かう。
「じゃ、行こっか」
「はい」
大学に着き、一限の準備をしていると隼と会う。
「っはよ〜」
「おう、おはよ。てかお前は二日酔い大丈夫なの?」
「ああ、もうばっちり」
「なんで酒弱いのに二日酔いはそんな綺麗さっぱり無くなってるんだ…」
「体質?」
「特殊すぎない?」
と、いつもの如く閑談をしてると、後ろから
「お……おはようっ」
「……へっ?」
「和田、さん??」
何故か和田さんが俺たちに挨拶してきた。
な、なんで????
「あっ、なんか邪魔しちゃ、った……?」
「いやいやいや、全然そんな滅相もない!おはようございます!!!」
「そうだよ、全然邪魔じゃないよ。おはよう和田さん」
「へへっ」
そうはにかみ笑顔を見せ、去っていく和田さん。
「…………かわよっ!?!?!?え?え??今、俺たちに挨拶したよな……???」
「そんな驚く?」
「いや、和田さんと言えば男性と誰とも喋ってるのを見ないで有名だぞ??」
「え、マジ?」
「大マジ」
てことは、俺ら今めっちゃ貴重な体験した??
「美人の笑顔ってなんてこんな穏やかな気持ちにさせてくれるんだろね」
「わかる」
これは俺も隼に同意。
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