第二話 女子高生との日常の始まり

家に連れて来たはいいものの…案の定まともに寝させるスペースがねぇ……。


「どうしたもんか……まあ取り敢えず、ベッド一つしかねぇから俺が床で寝る」

「い、いや!泊めさせてくれるのにベッドまで使うなんて…そんな烏お滸こがましい事出来ないですよ!」

「遠慮すんな。てか女子高生を床に寝させるとか、男が廃るわ。まあ俺の匂いがするのは申し訳ないが、使ってくれ」

「じ、じゃあ…お言葉に甘えて……」

「おう」


まあそんなこんなで寝床の心配はないが…シンプルに寝れねええええ!いや、同じ狭い部屋に17歳のJKがいるって考えてみろ!!普通に目バッキバキだわ!!!

本当に寝れん……って、やっべ明日までの課題やってねえじゃねぇか。あっぶね〜気付いてよかったー。ちょうど寝れなかったしやりますか〜、っと———



「何か物音しますけど、どうかしたんですか?」

「あ、まだ起きてたのか。明日までの課題が見つかったからやろうとしてたんだよ」

「なるほど。あ、でもそれじゃあ明かり入りますよね。私のことはお気になさらずやってもらって構いません」

「でも、そしたら君が起きてなきゃいけなくなるだろ」

「大丈夫ですよ、いつももっと遅くに寝てたので」

「なら良いけど…やることないぞ、俺の家。何も無いし」

「じゃあ取り敢えず飲み物でも淹れましょうか?と言っても物自体はお兄さんのものですけど」

「あ〜じゃあコーヒーでも淹れてほしい」

「コーヒーですね、分かりました」


気配りのできる良い子だな。じゃあなんで尚更家出なんてしたんだ?…………他人の家庭事情を勝手に邪推するもんじゃないよな。




「はい、コーヒーです」

「おお、サンキュ。君はこっからどうするんだ?課題、1時間くらいかかるんだが…。俺の家、娯楽という娯楽の物なんて全くないし———」

「それなら大丈夫です。終わるまで持っていた本を読んでるので」

「お、おお…なら分かった。なるべく早く終わらせる」

「私のために気を遣わなくていいのに」


それからは課題をフルスピードで終わらせ、コーヒーで誤魔化されていた睡魔も襲ってきてそのまま寝落ちした…。



「ん〜……朝、か」

「あ、起きたんですね。おはようございます」

「へっ?あ、ああ…おはよう」

一瞬「誰この子?」と思ったが、そういえば昨日この子を拾ったことを思い出す。我ながら突拍子もなく行動してやがる。

「あ、朝ごはん…作ったんですけど、食べますか?」

「は?朝ごはん??」

「食べない派の人だったらごめんなさい。でも昨日のせめてものお礼にと思って……」

「そんなの気にしなくていいのに。じゃあありがたく食べさせてもらうよ。ところで食材はどうした?」

「あ、スーパーはこんな朝からやってなかったのでコンビニで揃えました」


その朝ごはんは、フレンチトーストにヨーグルト、牛乳が並べられている。大学に入ってからこんなまともな朝食食ってないかもな。てか、料理もできんのかよ。

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