第39話

「…悪魔狩りじゃぁぁぁ!!出てこい悪魔共がぁぁぁ!!片っ端から殺してくれるわぁぁぁ!!」


もうヤケだから叫ぶし煽るぞ!!!

どんと来い悪魔ァ!!!


「言ったな下等世界の虫ケラ如きがぁ!!!」

「来たな悪魔!!!死ねぇ!!!」

「!?!?!?!?」


よっしゃなんか強そうな悪魔が来たぞ!!!

何故か喋る上にすげぇ驚いてるけどそんなの俺には関係ねぇ!!!倒す!!!


「アイダよ、もしや…お主にはこやつらの言葉が分かっておるのか?」

「え?そりゃあ…はい」


だってここの悪魔普通に喋ってるし…


「…お主、元悪魔だったりする?」

「そんな訳ないじゃないですか」


何いってんだこいつ

俺は普通…ではないけどれっきとした人間やぞ


「…えっ、じゃあなんでこやつらの言葉分かるの?なんか…別の言語にしか聞こえないんだけど」

「えっ、普通に魔王様と同じ言語で…」


あっ、これもしかして転移の効果で自動翻訳されてるのか!?!?


「…何でも無いです魔王様!とりあえずこいつ倒しましょう!ね!?」

「そ、そうだな!!!こいつだって普段の悪魔と変わらず倒して…」


「ふ、ふふふ…舐めるな!お前たちの世界に送り込んでいるのは悪魔ではない!本物の悪魔の強さを見せてやろう!!!」


じゃあなんなんだよあれ!?

ま、まぁいい…数回殺して身の程弁えさせてやる!


ーーー


「負けた…だと…!?」

「当たり前だろ!舐めんなボケ!」


2対1では流石に負けられねぇわ!

さーて、これで一回死んで貰って…ん?


「そういや今まで俺らが戦ってたのは悪魔じゃないってどういう意味だ?」

「…あれは我ら悪魔の作った魔力人形だ、故に魔力が尽きぬ限り復活する」


なるほど、つまり"復活"は悪魔ではなく魔力人形の性質だったわけだ


「そして我らは稀に魔術を魔力人形を介して転移させ攻撃したりもする」


…つまりは今まで魔力人形と戦っていただけだからこいつは俺達に勝てると思ったのか


「なるほど、分かった、それじゃあ俺達の世界への侵攻を辞めてくれ、それさえ確約されればお前を殺さずに済む」

「…なるほど、それが我らが王の望みか」


…は?

何言ってんのお前!?何言ってんのお前!?


変な事言うのやめろよ!?

魔王様が「やっぱり…」みたいな目で見てるから!

ふざけんなテメェ!!!


「…いつの間に言語習得したんですか魔王様!?」

「む?安心しろ、我が言語を習得したのではなく、この悪魔が言語を習得したのだ」


あぁ…そういう事でしたか…

…いやこの悪魔マジで天才だなぁ


ってそうじゃなくて


「…何を言ってるんだお前は、俺は正真正銘、完全なる人間だぞ?」

「なに?お前たちの世界では王が倒されたら代替りしたりはせんのか?」


しねぇよ、どこの脳筋種族だボケ

…え?もしかして悪魔って…脳筋種族!?



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