第38話

「アイダよ!!!」

「なんですか急に?」


これから魔界に行くんじゃ無いの?

早く行こうぜ!!!


「実は我では魔界へ行けん!!!」

「えっ!?」


そんなことある…?

それならなんで魔界に行くとか言ったの…?


「だが!アイダなら父上と同じ方法で魔界への道を開けると思うのだ!!!」

「はぁ…?」


父上と同じ方法?

それなら魔王様の方が得意なのでは…?


「我はステータスが足りなくて出来ないが…アイダのステータスなら十分の筈だ!!!」

「なるほど…それで、どんな方法なんですか?」


ステータスの問題か…

ってことは大量に魔力を使う魔道具でもあるのか?


「空間をこう…ガッ、って掴んで開くのだ!!!

父上曰く魔力を上手く使うのがコツらしいぞ!!」

「は???」


そんな事できねぇよ!?

お、お前の父上おかしいよ…


「いやいや、空間を掴むとか…そんなの無理ですよ俺、そんなスキル持ってないですし…」

「なら一回!一回だけ試してはくれんか!?」


一回だけ…しかも試すだけ、かぁ…


「まぁ、それなら…」

「そうか!なら早速頼むぞ!!!」


えーっと?魔力を使って空間を掴んでガッと…

できたぁ!?


「おお!!!なんだ、できるではないか!!!」

「ほ、本当にできるんだこれ…」


マジかよ…絶対駄目だと思ってたわ…


「では早速向こうを覗いて見てくれ!アイダよ!」


とりあえず覗くのか…了解しました!

それで向こうはどんな…


「…!?」


な、なんか向こうも王城みたいなんだけど???

こういうはもっと端につながるんじゃないの!?


「向こうの様子はどうだ?アイダよ」

「な、なんか…向こうも城です」


城、城!?

絶対やばいだろここ!?


「なるほど…丁度いいでは無いか!行こう!!!」

「え?辞めときません?ここは流石に…ねぇ?」


だってここ最初に行くところじゃ無いじゃん!!!

なんならラスダンまであるわ!!!


「だがこちらから繋いでしまった以上、既に悪魔にこちらの位置は捕捉されているからなぁ…」

「え?」


補足されて…いる?

え?悪魔に?捕捉?されてるの???


「もうそろそろ悪魔共が押し寄せてくるだろうからこちらから行く方が良い、と思ったのだが…」

「そういう事は早く言って下さいよ!さっさと向こうの悪魔倒しますよ!!!」


マズイ!それはマズイですよ!!

それに茜にも危険が及ぶ可能性がある!

なんとかしなければ!!!


「うむ!!!行こう!!!」

「そうですね!!!」


畜生!こうなりゃヤケだ!

悪魔を大量に倒せば俺の方にヘイトが向くだろ!

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