第37話

「マジで何なんッスかそのステータス…」

「俺も知らん…怖い…」


怖い…なんでレベルが下がったのか、何故ステータスが上がったのか、何も分からん…


「いや、そうじゃなくて強すぎないッスか?それ」

「え?そうなの?獣王とかこれより高いんじゃ…」


だって素の俺より全然強いよあの人?


「獣王様の全力が大体高いステータスで1万ほどらしいので全然先輩の方が強いッスね」

「…マジで!?!?」


あの全力獣王が今の俺の三分の一!?

俺、強くなりすぎでは?今ならなんでも出来る気がしてきたぞ?


「おお!!!アイダ!!!ここに居たのか!!!」

「魔王様、こんな所でどうしたんですか?」


めっちゃ急いでるみたいだけど…

俺になんか用でもあるのか?


「アイダに手伝って欲しい事があるのだ!!!」

「なるほど。それで何をすれば良いんです?」


頼み事ならこの安請け合いマンの俺に任せな!


「ステータスを見させて欲しいのだ!!!」

「アッ、いや〜ちょっと遠慮しておきますね。」


いや、それはちょっと…

困るから辞めてほしいな…って


「ふふふ…そうは行かんぞアイダよ!我の力をもってすればステータスを覗くことなぞ…!?」

「………」


や、やべぇ!!!俺のステータスバレたよ…!

高いステータスは別に見られても良いんだけど…

良く分からん項目を見られるのはマズイぞ…!


「つ、強い!!!我より強いではないか!!!」

「そう…ですね」


それ以外にも色々あるけどな!!!


「こ、これなら…!!!頼むアイダ!!!我らに力を貸してはくれないか!?!?」

「…このステータス秘密にするなら良いですよ」


このステータスをバラされたら俺を実験動物にしようとする奴が出てきそうだからな…


「そうか!!!なら秘密にする!!!だから魔界への侵攻を手伝ってくれ!!!頼む!!!」

「う〜ん、まぁ…良いですよ!!!」


秘密にしてくれるなら良いよ!!!やる!!!


 「先輩ってもしかして…ポンコツ、ッスか?」

「なんか言ったか茜?」

「いや!?なんでもないッスよ!?」


なんか失礼な事を言われた気がしたんだけどなぁ…


「それなら良いんだよ、あとさっき聞いたと思うけどしばらく魔界に行ってくるわ!」

「…え?置いていかれるんッスか?」


「そりゃあ…危ないし。」

「でも私も…!」


「いや、悪魔と戦ったら茜は死ぬから絶対に連れていけない」


死んだりしたらあまりに申し訳なさすぎるからな…

それに悪魔の強さだと流石に茜は死ぬ。

これで連れていける訳が無くない???


「…まぁ、分かったッス、でも!出来るだけ早く!帰ってきて欲しいッス!」

「おう!分かった!出来るだけ早く帰れるように俺も頑張るわ!」


さて、覚悟も決まったし、茜とも話せた。

あとは魔界に行くだけだ!!!


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