第34話

禁足区域を観光じゃオラァ!

って訳で山越えしたんだけどさぁ…


「なぁ、ここって町だよね?」

「そうッスね」


めっちゃ人も居るし荒廃もしてないからなぁ…


「でもここ禁足区域だから立ち入り禁止だよね?」

「特別な許可が無きゃ駄目ッスね」


俺らも期限付きでここに入ることを許されただけで永住はできないしな…


「じゃああの町は…?」

「分かんないッス」


だよねぇ…


「とりあえず行ってみるか」

「えぇ…?良いんスか…?」


「こういう時はとりあえず話を聞いてみるんだよ」

「いや、まぁそうッスけど…」


まぁ、言いたいことは分かるよ

確かに危険だよ?危険だけどさぁ…


「でもそもそも禁足区域に来てる時点で危険だし」

「う、確かにそれはそうッスね…」


だから話を聞きに行くぞー!!!


「あ、茜はここに居てくれよ」

「なんでッスか!?」


「いや…だってほら…危ないじゃん…」

「…まぁ、分かったッス、その代わり直ぐに戻って来て欲しいッス」


「オーケーオーケー分かってるって」

「それならいいんスよ」


「それじゃ行ってくる〜」

「行ってらっしゃいッス〜」


えーっと、確かここら辺に人影が…

お!居た居た!


「あの〜!すみませ〜ん!」


角が生えてるけどまぁ…

人型だし魔物ではないだろ!


「…ッ!?こんな所に人間が!?」

「え?あ、はい…」


いや、お前も人間だろ…

確かに角が生えてるから獣人みたいな感じだけどね

…あ!もしかして禁足区域に居る部族みたいな感じ


「なるほど…人間か…魔王様に処遇を決めてもらう付いてこい」

「え?は?え????」


まおう…マ王?魔王!?!?!?

そんな事ある!?!?


って事はこいつら魔族的な…?

いや、まだ分からん、魔王だからと言って悪役では無いかもしれない


ーーー


「町に迷い込んだ人間を保護しました!」

「なに!?早急に魔王様に伝えなけれ…まさか後ろに居るのが人間か?」


うわぁ…めっちゃ厳格そう…


「はい、間違いありません」

「そうか…なら人間は謁見の間まで私たちがお連れする、リルグ帰っていいぞ」


え?名前呼び?急に?


「そうか…買い物中だったから助かる」

「そうか、それならさっさと帰れ」


…あれ?この人達って意外と親しい感じ?

さっきまでは事務的なアレ?


「おっと、そうだったな!」

《「俺は…?」》

「おい、人間!」

「はい!?」


「お前はどうやってここまで来た」

「え?いや…そりゃあ山を超えて」


「なっ…そうか、それなら尚更魔王様に引き合わせなければな…」


えぇ…?魔王様と俺の来たルートに何の関係が…?










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