第31話

獣王国の王城にこんにちは!

獣王さん返却にきました!!!


「きさま何者だ!何故獣王様を抱えている!」

「獣王に勘違いで絡まれたから返しに来た」


「なに…?いや、だが確かに…」

「あ!そうだこの子!最初はこの子を返しに王城に行ってたんですよ!」


「王女様!?何故王女様まで!?」

「この子を城に返そうとしたら勘違いされたので」


頼む…!君からも何か言ってくれ…!


「お兄ちゃん悪い人じゃないよ!お姉ちゃんに襲われたから反撃しただけなの!」

「…なるほど、そういう事でしたら私が城の医務室まで案内致します」


よし!後は医務室で獣王の目覚めるまで大丈夫だな

まぁ目覚めた後は説得の必要があるけど…


妹ちゃんに落ち着かせて貰った後に説得すればまぁなんとかなるだろ!


ーーー


「ハッ!?リーナ、リーナ!何処だ!?」

「お姉ちゃん!私はここだよ!」


よーし、頼んだぞリーナちゃん、そのやたら頭に血が登ったお姉ちゃんを落ち着かせてくれ…!


「リーナ!ということはアレは…」

「夢じゃないよ?あのお兄ちゃんは迷子の私を返そうとしてただけだからお城に帰って来たんだ!」


お!事情の説明までしてくれるのか!

それは助かるわぁ…


「そうだったのか…あの人には悪い事をしたな」

「うん!だからまだお城に残って貰ったの!」


「なに!それならすぐ呼ばなければ!お詫びとお礼として何かせんと気が済まん!」

「だってよ、お兄ちゃん!お姉ちゃん!」


あっ、ここで呼ぶの?


 「茜、行くぞ!」

 「分かったッス!」

「あ〜、えっと…どうも?」


すげぇ…驚くほど何もセリフが思いつかなかった!

茜もマジかよこいつ…みたいな目で見てくる!


「よく来てくれた!ぜひ御礼や謝罪させてくれ!」

「いや…お礼はともかく謝罪は…」


こっちもボコボコにしたしねぇ…

それにエルフと違って勘違いからだし…


「…なら、なんでも欲しい物やことを言ってくれ!お礼として出来る限りの事をしよう!」

「じゃあ聖剣を…」


見たいんですけど


「ちょっ…先輩!お礼とか勝手に決めないで欲しいんスけど!」

「でも見たかっただろ?聖剣」


観光中これなら聖剣も見たい!って何度も言ってた

じゃないか


「そりゃそうッスけど…」

「ああ、それは安心してくれ、ちゃんと御礼の品は二人分用意しよう」


良いんですか!?!?!?


「うえっ!?良いんスか…?」

「勿論だ!」


めっちゃ助かるけど本当にこれで良いのか…?

勘違いの罪悪感につけ込んでないか…?


「それで…聖剣だったか?聖剣は我らも見せることしか出来ないが…それでも良いのか?」

「え?いや…そりゃあ勿論」


だって見ることが目的だし…


「おぉ…!中々に剛毅だな!素晴らしい!」


お、おう…

なんかテンション高いな…


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