第28話

「お前さぁ…こういうガチの高級店に行ってでも俺の財布を空にしようとしてくるのやめない?」

「いや先輩、奢りだったら出来るだけ高い物を買おうとするのは当然ッスよ!」


いや、そうだけどね?限度ってあるじゃん?

いくらなんでもかなり稼いでる俺の財布がかなり軽くなるレベルの店は良くないと思うんだ


「…まぁそれは良いだけど今日は財布がかなり軽いから本格的な獣王国の観光は明日で良いか?」

「良いッスけどマジでそんなにすっからかんなんスかちょっと申し訳ない気がしてきたッスね…」


そう思うなら今度からちょっとは遠慮してください


「でも遠慮とかはしないんで先輩は頑張って稼いで欲しいッスね!」


なんでお前は奢りに関してはそんなに厳しいんだよ

…俺が何か問題を起こすたびに奢らせるからか?


「お前の言う通り俺は頑張って稼ぐからお前は宿で大人しく…」


こいつ警戒心が幼女だから一人にはあんまりしたくないんだよなぁ…


「留守番ッスね!了解ッス!」


こいつに留守番出来るかなぁ…?

いや、俺は俺で稼がなきゃいけないし信じるしかないんだけど…


どうする?これは茜も連れて行った方が良いのか?

いや、でも人が多い所に連れて行くのはなぁ…


う〜ん、まぁ、どっちかといえば連れて行った方がマシっちゃあマシ…か?


「…いや、茜やっぱり魔物狩りに付いてこい」

「え?まぁ…良いッスよ!」


迷った末にまだ俺がどうにか出来た方が良いってことで連れて行く事になりました


前までは目移りとか他人への信用とかもう少しマシだったと思うんだけどなぁ…


「あっ!見て下さい先輩!屋台ッスよ!買ってきて良いッスか!?」

「だめです」


俺達は稼ぎに魔物狩りに行く筈なんだが?

なのになんで食べ歩こうとしてんの?


「なんでッスか!ケチ!」

「…太るぞ?」


「は、ハァァァ!?ありえないんスけど先輩!」

「さっき食ったばっかだから言ったんだぞ…?」


そもそもさっきもかなり食ってたからな?

マジでお前が太らん理由がわからん…


「それは…あれッス甘いものは別腹って奴ッスよ」

「いや、そもそも今から俺達は魔物退治の依頼を受けるんだからな…?」


本当に分かってる?

なんとなく俺が言ったから付いてきたとかじゃないよね?大丈夫だよね?


あと甘いものは別腹は太る方の論理だぞ?


「…そうだったッスね!それなら早く魔物を狩って宿に戻るッス!」

「おう、そうだな」


ーーー


「き、キマイラ10体討伐で金貨40枚…!?」


めちゃくちゃ稼げる依頼あったんだが…!?

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