第25話

エルフの里を出る際におすすめの観光地を聞いてみたんだが…


獣王国の王都がおすすめだそうだ

獣王国はかなり観光名所が多いんだが特に王都は色んな観光名所があるらしい


神話時代の獣人の始祖が割ったとされる山や勇者の仲間だった獣人が作ったクレーター


さらには中々見られないが運さえ良ければもう一つの聖剣が見られるらしいのだ


これは行くしか無い!

って事で獣王国まで行くことになったんだが…


「そろそろ休憩するか?茜」

「はぁ…はぁ…そうッスね…休憩…したいッス」


このようにステータスの差により頻繁に休憩が必要になるせいで一向に進まないのだ


「確かに俺たちが走った方が馬車より速いけど茜もキツそうだしやっぱり俺が茜を抱えて走ったほうが良いだろ…?」

「それはそうッスけど…恥ずかしいから駄目ッス」


恥ずかしいて、そんなものの為にお前はそんな息を切らしてるのか…?


「お前なぁ…恥ずかしいからってわざわざ無茶すんなよ…ちょっと我慢すれば良い話なのにさぁ…」

「それでも恥ずかしい物は恥ずかしいんスよ!」


まーだそんなことを言うかこいつ

こうなったら…


「はい!強硬手段でーす!」

「えっ…ちょっ先輩!?おんぶとかならともかく

お姫様抱っこは辞めて欲しいんスけど!」


テメェが抵抗するから速やかに抱き上げられてお前にも負担の少ないお姫様抱っこになったんだろ!


「お前の事を考えてのこれだから自業自得だ」

「ぐぅぅ…恥ずかしい…!」


ふはは!ざまぁ見やがれ!これに懲りたらもう我儘は程々にしておくんだなぁ!


「あ、それはそれとしてここから全力で走るから俺の体をしっかり掴んでおけよ」

「えっ、まだ加速するんスか!?」


当たり前だろぉ!?今から日が暮れる前に獣王国に入国するつもりやぞ俺は!


ーーー


「間に合った!セーフ!」

「いや、間に合ったって言ってもアレから数十分しか経ってないッスよ、余裕じゃないッスか」


それはそうなんだけどね?こう…気分的に焦りから開放されたら言いたくなるじゃん?


「とりあえず入国の手続きするから降ろすぞ〜」

「嫌ッス!」


恥ずかしいんじゃ無かったのか?

…慣れたのか?


「はーい、おろしまーす」

「あぁ…これで入国手続きを自分でやらなきゃいけなくなってしまったッス…」


そういうことかよ、そのくらいは自分でやれ

この世界色々ガバいからステータスを見せるだけで良いんだからさぁ…


ーーー


獣王国の関所で茜と一緒にステータスを見せて

あとは獣王国に入国するだけになった


早く獣王国の王都で宿を取らないと野宿になりかねないから早く王都に行きたいんだが…


門番の獣人さんがずっと俺のステータスを見つめて固まっている


「…あの、門番さん?どうしました〜?」

「…お前ステータスが高いな、俺と戦え」


何言ってんだオメー

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