第22話

「おぉ〜!ここがその花畑ッスか!めっちゃ綺麗だしなんか荘厳ッスねぇ先輩!」

「分かる、なんか神々しい雰囲気があるよな」


にしても茜めっちゃ楽しそうだな…

これは世界樹も行ったほうが良かったか?


…いや、今からでも間に合うな

とりあえず世界樹に行くかどうか訊いとくか


「なぁ茜、世界樹…たぶんまだ死体あるんだけど…それでも行くか?」

「う〜ん、せっかくなので行ってみたいッスね!」


…なるほど、死体があるのは嫌だけどせっかくだし世界樹は見ておきたいって事か


「そうか!なら世界樹まで行こう!…おい、死体は片付いてるか?」

「い、いえ…解体は終わっておりますが…運び出しが難航していまして…」


おぉ、一応こっちに来てる間にドラゴンの処理はしててくれてたんだ


「…そうか、なら向こうで運び出しを手伝ってやるその間はお前が茜を案内しろ」

「はっ、はいぃ!!」


 「ところで先輩はなんでエルフに対してあんなに高圧的なんスか?」

 「いや…あいつらチンピラみたいなもんだから高圧的に行かないと舐められるんだよ」

「えぇ…」

「でも本当のことなんだから仕方ないだろ!?」


実際こちらが舐められてた最初は騙してドラゴンを倒すしかなくしてきたしな


でも一見プライドが高くと誇りを持ったエルフにしか見えないのが本当に悪質だよコイツら


「…まぁ、俺は先に行って死体を片付けてくるからお前は後からゆっくり来てくれ」

「了解ッス先輩!」


ーーー


「…なぁ茜、俺は死体を片付けてくるからお前は後からゆっくり来てくれって言ったよな?」

「そうッスね先輩」


「…で?お前はどうやってここまで来た?」

「先輩の後ろを付いてきてッスね」


ああ、そうだ、そのとおりお前は俺が花畑から出たら直ぐに俺に付いてきたな


「いやなんでだよ、俺が死体を片付けるからお前は後から来てくれって言ったよな…?」 

「そうッスね…でも、この私にその言葉を守る理由は無いッスよ!」


何を言ってるんだお前は


「いや…お前が死体を見るのを嫌そうにしてたから片付けるのに付いてきたら意味無いじゃん…」

「…私は死体なんかより先輩とバラバラに居ることの方が辛いッス」


いや、分かるよ?確かに先に目的地に行かれてるとテンションの差が激しくて辛いと思うけども!


でも既に俺は一回ドラゴン倒すために世界樹に来てるしそんなに心配しなくて良いって…


あとその言い方は勘違いする奴居るからやめとけ

元の世界で同級生からめっちゃ告白されてたけどこの言動だと文句言えねぇぞ


「…分かった、じゃあ死体あるけど文句言うなよ?って訳で手伝えなくなった、見どころ教えろ」

「は、はい…分かりましたアイダ様…」


「…外から見るのも良いですが、やはり一番の見どころといえば中の聖剣ですかね」

「…聖剣?なるほどそれは面白そうだな、見せろ」

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