第17話

とりあえずこの騎士さんと戦えばいいんだな

重装備だけど楽に倒したいよなぁ…


どうすっかなぁ…

なんかこう…鎧の奥に攻撃するみたいな…


そうだ!発剄!

発勁は鎧とか盾を貫通して衝撃を与えるんだよね!アニメで見たから知ってる!


体術レベルも高いし、発勁使えるだろうから発勁を使って鎧を無視して倒せるんじゃね!?


そうと決まれば試合が開始したら発勁を使って

そして…


「てやぁぁぁぁぁ!!!」


なんだよ!まだ試合は始まって…

もう始まってるじゃねーか!?!?


なんで気づかねぇんだよ!

もしかして俺はアホなのか!?


と、とりあえず回避!そしてなんちゃって発勁!

鎧に対して貫通ダメージ!拳は反動を受ける!


「ガッ!ぁ…!グゥゥ…!」


うわぁ…めっちゃ痛そう…声が出てないよ…

い、一応俺の手も痛いから許して…


でも多分発勁の効果では無いなこれ

ただ単に掌底でぶん殴ってその衝撃でダメージ受けてるだけだわ


だって鎧がガッツリ凹んでるんだもん

どう考えてもゴリ押しでダメージ与えたでしょ


ま、まぁダメージは与えられたし大丈夫!

まだ立ち上がりそうだから追撃の蹴りィ!


ふっ…これで大ダメージ間違いなし…

ここからの試合運びで劇的に有利になったぜ…!


「………」


…あれ?騎士の人まだ立ち上がらないの?

ってか動いて無くない?


おーい!生きてますか〜?

ピクリともしねぇな…?


と、とりあえず呼吸を確かめよう

これで息してなかったら笑えねぇぞ…?


  「…ヒュー、ヒュー」

呼吸音ちっさ!しかもなんかヤバいタイプの呼吸してるじゃん!


ど、どうする?どうすれば…

どうにかして試合を終わらせて貰わなきゃ!


……ワァァァァァァ!!!!


…えっ歓声?なんで?

勝利時の歓声にしても遅くない?


仮にこれが勝利時の歓声ならめっちゃ遅延あるよ?

だって呼吸音を確認した後に俺がパニクるだけの時間があったからね、あまりに今更だよ


『な、なんとあの重装備を相手に一瞬で叩きのめしてしまいました!圧勝、圧勝です!』


いや、まぁ確かに圧勝ではあるけども…

それより相手の心配をして?


…いや、司会が片方の心配とかするわけねぇわ

これは俺、騎士さんをボコった罪悪感でおかしく

なってるな…


なんか騎士の人も回収されてるから

とりあえず俺は控え室に戻るけどさぁ…


ーーー


2回戦はエルフの参加者と戦うんだけど…


本来は一日目に一回戦、二日目に2回戦って感じの日程らしく、シードがあったから一日で2回戦までやっただけだそうで


ここからは普段通りの日程になるらしく今日はもう試合は無いと伝えられた


まぁ、完全に俺のせいで2回戦まで一日でやったのは分かるんだけど…


正直、予選は爆速で終わったし予選から間髪入れず本戦を始めた癖にそれ言う?って思った


あとは一日で2回戦までやったせいでボロ負けした騎士さんが本当にかわいそうだと思った


でも色々俺をどうするのかとかあるからね!

この方法を選んだのは大会運営だから俺を恨まないでくれよな!


…とりあえず茜と合流して帰るか




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