第16話

本戦に出場したのは

Aグループからはエルフと前回チャンピオン

BグループからはAランク冒険者と傭兵

Cグループからは騎士と魔術士

Dグループからは俺…だけ!


いや、あの…なんかこう…周りの人を適当に吹っ飛ばしてたら凄い群がられて…


それで近寄って来たのを全員一気に倒したら本当に全員倒れちゃったて…


そのせいでDグループだけ俺しか勝者が居ないけどこれはしょうがなくない?


全員で群がって来た相手が悪くない?


…そのせいで俺だけシードで出場してる


Dグループから一人多く出場しないのはDグループが全員ボロボロで出場できる状態じゃないからだね


ちなみに本戦はトーナメント形式で戦うことになってるんだが…


俺の相手は騎士か傭兵かのどっちかっぽい

しばらくは暇だから…茜に感想でも聞いてくるか


控え室を出て、観客席まで、観客席まで…遠い!

あれぇ!?こんなに遠いの!?


受付までもそこそこの距離だけど受付から観客席がすっげぇ遠いんだけど!?


このステータスを持ってしても数分掛ったぞ!?

そんで観客席についても茜が何処に居るか分かんないしさぁ…


茜よ、お前は何処に居るんだい…?


ーーー


「あ、茜!ようやく見つけたわ!それで俺の予選どうだった?」

「う〜ん、普段通りの先輩ッスかね?」


それは…どうだ?

褒められてるのか、それは?


「それは良い意味で?」

「…まぁ、一応?」


なんだよ一応って…


「一応ってどういう意味なんだよ…」

「いや、確かに普段通り強いッスけど…あんな一瞬で、しかも運営を困らせる形で勝ったんスから…」


「う…そ、それは…あれだよ…その…正当防衛」

「もう言ってることめちゃくちゃッスね…」


「あー、あー、そうだ!そろそろ2回戦始まるからちょっと行ってくるわ!じゃあな!」


ふぅ…危ない、正論の暴力で死ぬところだったぜ…

まぁ茜を探したりでかなり時間掛ったし控え室もそこそこ遠いからな


これくらいで帰らないと2回戦が始まりそうってのも一応嘘ではない


だからセーフ!セーフです!


ーーー


ヤバい!もう2回戦始まる!早く出られるように準備しておかないと!


えーっと、武器は剣だけ持って…行くぞー!


「あっ、アイダさん!居たんですね!もう始まりますから、出ちゃって下さい!」

「あっ、分かりました」


もう出ちゃって良いのね、それじゃあ出るか

にしても毎回選手紹介があるんだけど…俺はどんな風に紹介されるのかなぁ…!


『今回のダークホース!Dグループの他の参加者をなぎ倒し!シードを掴み取った極悪非道の冒険者!アイダァァァ!!」


ぶん殴るぞテメェ!?

えっ、いくらなんでも悪く言われすぎじゃない?


そこまで言わなくて良いじゃん!

俺の紹介だけ悪意に塗れてないか!?


いや、まだ、まだ他の人の紹介はしっかり聞いてないから、他の人もこのくらいかもしれないから…


『一回戦をその堅実な戦いで勝ち上がった、重装備の騎士!アリアスゥゥゥ!!』


俺だけ悪意のある紹介じゃねーか!俺もこの人みたいな格好いい紹介が良かった…


いや、確かにDグループを全員なぎ倒してシードを勝ち取ったのは事実だけど…


でもあれは事故だから!しょうがなかったから!

そこまで言わなくても良いじゃん!


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