第15話

「なぁ茜、今日は大闘祭だから俺は闘技場に行くけどお前はどうするんだ?」

「先輩の勇姿を見るために闘技場に行くッス」


「ん?いや、闘技場に入る為の金や賭けるための金はやらねぇぞ?」

「いらないッスよ!?先輩は私の事ををなんだと思ってるんスか」


後輩系ニート幼女


「…良い後輩、かな」

「絶対に嘘ッスね、あの顔は確実に失礼な事を考えてたッス」


なんで無駄に鋭いんだコイツ

普段は警戒心幼女並の癖してよぉ…!


それができるなら頼むからいつもそれ位の警戒心を持ってくれよ…!


「はぁ…とにかく、知らない人にはついていかないことと知らない人から物を貰わない事、良いね?」

「話をズラした!話をズラしたッス!」


くっ…流石に騙せないか…

しかし、それなら俺にも考えてがある


「分かった、今日から別行動ね」

「あっ、待って!許して!それは嫌ッス!」


「…なら大人しく話をズラされとけ」

「ぐっ…うぅ…汚いッスよ先輩…!」


うるせー!

元はと言えばお前の質問だからな!


俺は悪くないからな!


ーーー


「予選は闘技場でのバトルロイヤルになります」

「えっ、いきなり全員で…?」


それは闘技場に入り切るのか…?

人数的に難しくない…?


「いえ、グループ毎に分かれてそのグループで戦います、あなたは…Dグループですね」

「あ、そうなんですね」


なるほどグループ毎に戦うのか

…ってかDグループってことは少なくとも他に3グループあるのか、結構大人数なんだな


「Dグループの控え室にはあそこの職員に案内して貰って下さい」

「あ、分かりました」


いや〜まさかバトルロイヤル形式とは…予選は中々

厳しい物になりそうだな


…あれ?控え室に入ってる人もうこんなに居るのか俺も結構早く入ってきたつもりだったんだけどなぁ


ワァァァァァァ!!!!


…歓声?もしかしてもう1グループ終わったのか?早すぎない?


…いや、めちゃくちゃ強いSランクの冒険者とかが居たりすることもあるしありえなくはないのか


それでもDグループだし流石に数時間は待つだろ

腰を落ち着けて水でも…


「Dグループの皆さんの番になりましたので入場して下さい」


早くねぇかなぁ!?

いや、確かに受付でそこそこ時間かかったけど!


それでも流石に早いよ!

何が起こってるんだよマジで…


ってか俺以外の人達何も言わずに入場するじゃん

みんな受付早かったし…


もしかしてこれが当たり前なのか?

あの速度が?


嘘だろ…だとしたら俺なんて秒で倒されちまうよ

記念参加とはいえもう少し戦いたいよ


ーーー


「勝者、アイダ・ソウスケ!」


まさか…、俺が高速で終わらせる側になるとはな

思わぬ誤算だぜ…!


まぁ勝てたし本戦まで進めたから結果オーライだよ

…多分







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