第14話

「なぁ茜」

「なんッスか先輩?」


とぼけるなよ茜…

お前もわかってるだろ…?


「このダンジョンさぁ…簡単すぎない?」

「ダンジョンはこんなものッスよ先輩」


そうか…?俺が最初に潜ったダンジョンは…

…待てよ?


あれから俺は強くなったからそれでやたらと簡単に感じているのか…?


「正直ここじゃウォーミングアップにならないから奥に潜るつもりだけど茜はどうする?」

「え〜、そりゃついていくッスよ!当たり前じゃないッスか!」


当たり前…いうほど当たり前か?

まぁ、茜が良いなら別に良いんだが…


「よーし!なら最下層目指して行くぞー!」

「行くッスー!」


ーーー


「いや、確かに最下層目指すとは言ったしウォーミングアップになったから目的は達成できたよ?」

「じゃあいいじゃないッスか」


「本当に最下層でボスを倒す事になるとは思わないだろぉ!?」

「いや…先輩は勇者を倒したんスからダンジョンの攻略位はできるもんじゃないんスか?」


そ、そう言われれば確かに…

これは俺の見通しが悪かったな…


まぁウォーミングアップも終わってようやくこのやたらと強くなった体にも慣れてきたから次からはもうちょっと上層で稼ごう


もう慣れるために態々強い敵と戦う必要もないから稼ぐだけならもう少し上層で大丈夫だろってことで次からはもう奥まで潜らない


だって、だって片道凄い時間掛ったんだもん!

次からは迷わなくなるから早くなるだろうけど…


それでも面倒くさい物は面倒くさいからな


「ところで茜」

「どうしたッスか?」


「お前、なんであんなに男慣れしてないの?」

「あ"あ"っ"!ようやく忘れそうだったのに!先輩!その話はやめるッス!」


発作かよ、俺はただお前に男慣れしてない理由を聞いてるだけだぞ


「でもお前普段とか聖と一緒の時とかは平気だろ?だからあんなに取り乱す理由を知りたくて…」

「聖先輩はかわいいから平気ッスけど…あんな近くに男性が居たら恥ずかしくて当然ッスよ!」


えぇ…?お前普段はガッツリ人の家に上がり込んだりしてたのにそこの羞恥心はあるの…?


…いや、うん、多感な時期だからな!もしかしたらそういうこともあるかもしれないな!うん!


「まぁ…恥ずかしがった理由は分かるけど…」

「けど?他にもあるんスか?」


他にもあるってか他に疑問が沸いてきたってか…

しれっと言ったけどさ…


「いや…聖をかわいいって…」

「え?いや…あれはかわいい系の顔ッスよ!」


いや、そういうことじゃなくね!?


「なんで可愛かったら大丈夫なんだよ」

「え?そりゃあ聖先輩、女の子にしか見えないッスからね、男性が苦手なだけッスよ」


「え?いや、確かに聖は中性的だけど女の子にしか見えないは流石に…」

「先輩は聖先輩の女装見てないッスからね、あれを見た後は聖先輩が女性にしか見えなくなるッスよ」


それもう呪いじゃねーかよ

…いや、でも確かに印象で結構見え方が変わるって聞くしなぁ


いや、でも流石にそんな訳…


「も〜、そこまで言うなら次聖先輩にあったときに女装をお願いしてみたらいいじゃないッスか」

「俺をなんだと思ってんだテメー」


流石に知り合い程度の仲なのに女装を頼むとかできねぇよ、俺の印象を変態にする気か?

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