第7話

「帰りましたー!」

「…へぇ、Bランクを退けた巣から帰ってこれるなんて中々やるじゃないか」


あ〜やっぱり、わざわざ勇者を脅したりして怪しいとは思ってたんだよ


「やっぱり俺は死ぬ前提ですか…」

「あ、分かった?」


そりゃあ、あんな場所にまともな戦力もなく失敗は許さないって放り出すとか…


明らかに俺の命の事を考えた動きじゃないだろ

流石に分かるわ


「そりゃあ流石に、それとこの魔石を貰ってきたので売らせて貰いますね」

「…本当にこれがゴブリンの魔石なのかい?」


おー、驚いてる!

やっぱりこれは驚くよなぁ!


「間違いないなくゴブリンのボスの魔石ですよ」

「いや…この大きさの魔石はSランク級なんだけどどうやって倒したの?」


え?そうなの?

なんかこう…ノリで倒したんだけど…


「いや、あの…ノリで」

「ノリ…ノリ!?えぇ…?何なんだ君は…?」


俺もどのスキルが俺を強化してくれたのか分かんないから説明できない…


「…とりあえず報酬ください、あとその魔石も換金して下さい」

「…分かった、あと君のランクを上げるから明日は必ずここに来てね」


ランク…そういえば俺って登録してからランクが上がってないからEランクなんだよな…


なのにあんな無茶振りをされて…

やっぱりこの世界の権力者はクソ…?


ーーー


「はい、君今日からAランクね」

「なんで?」


なんで?Aランクって大体結構強い奴の称号だよね

なのに試験とか無しでそれでいいの?


王都のギルドマスターがルールを守らないとか本当にロクでもない所だな冒険者ギルド…


王都はスラムが放置されてたり横領が流行ってたりと全体的に治安が悪いんだが…


ギルドマスターがこの調子だとこの世界自体が凄い治安が悪い可能性が湧いてきたな…


「いや、Sランクを単独討伐できるなら別に試験なしでもAランクにしていいでしょ」

「本当に良いんですか…?」


俺には憶測でAランクでしたように聞こえたんだけど本当に大丈夫なんだよな?


これで後々糾弾されたりしたら俺は容赦なくお前の事を身代わりにするからな?覚悟しろよ?


「大丈夫だよ!なんてったって女王様のお墨付きだからね!誰も文句は…」

「待って」


待って、どういうことなの…?


「なんだい?そんなにびっくりした顔をして」

「…なんで、女王様がお墨付きを?」


あいつ俺の追放を提案した張本人なんだが?

聖は多少止めてくれたのと茜が全力で抵抗してくれたおかげ金と剣がついてきたけど…


抵抗が無かったらマジで裸一貫で追放するつもりだったらしいからあいつを信用できんのだが?


…つーか、追放した奴のランクを態々上げるなんて一体何を考えてるんだ?


「え?そりゃあAランクなら王城に呼び出せるからそこで懐柔するつもりなんでしょ」

「…マジでか」


…Aランクなら王城に呼び出せるってことはもしかして今から突然王城に呼び出される可能性が


コンコンコン


…おい、待て、嘘だよな?

そんなに直ぐに分かる訳ないよな?


「アイダ様、女王様がお呼びです」


女王…許さねぇ…!

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