異世界でいきなり追放されたけど…俺、強くね？

第5話

「いやぁ…助かったよアイダくん、君のおかげで包囲されずに済んだ」

「…でもこれって何処か失敗してますよね」

「そうなる、何処が失敗したかは分からないがとにかく失敗した事を伝えに戻ろう」

「…そうですね」

もう疲れたから帰りたいのは分かる

でもなぜか、なにか嫌な予感がするんだよなぁ…

ーーー

「えー、今回はゴブリンの都市を攻めたチームが壊滅していた、しかしあれ以上の冒険者を用意するのは流石に難しい、だから…」

「だから？」

なんか凄い言いづらそうなんだけど…怖い…

俺に何を頼もうとしてるの…？

「だから君がゴブリンの都市攻略して？」

「アホか？」

出来る訳ねーだろ！

いや、確かに集落に居たゴブリンキングを倒したのは俺だけどさぁ…

「アホって…酷いなぁ、私にもちゃんと考えがあるんだよ？」

「おう言ってみろよ」

どうせロクでもない事なんだろぉ？

知ってるぞ？

「軍と用意できる冒険者で全力で君をサポートするそして君はボスとだけ戦って勝つ、どう？」

「出来ねぇよ…お前の俺への信頼は一体何処から出てくるんだ、教えてくれ」

何故俺なら出来ると思ったのか

まだ高ランクで行ったほうが可能性あるわ

「えー、君なら出来るでしょ〜？だって君、勇者なんだから」

「…あぁ、そういうことか」

なんでこんなに期待されたり無茶振りされるのかが分かってしまったな…

でも俺勇者じゃなくて一般人枠だから…

そんなに期待されても何も出来ないから…

「それにゴブリンキングを倒せる時点で個人としての強さなら王都だと一番強いから…」

「そんなに？」

この国弱すぎるだろ…

なんでそこそこ弱い俺より弱いのが平均なんだよ

「ああ、軍も本腰を入れて参加してくれるだろうから後はゴブリンキングを倒せる君が居ればなんとかなりそうなんだよ…」

「ま、まぁ、そういう事なら…」

それなら行っても良いかな…

「あ、それと今回失敗したら冒険者の資格剥奪するから心してかかってね！」

「ふざけんなカス」

ーーー

「俺達はゴブリンの都市を攻めて、ゴブリンキングを倒した、そこまでは良いんだよな？」

「それは間違いないですね」

ゴブリンの都市自体はゴブリンも減ってたから楽に倒すことが出来た、だが…

「じゃあこれはなんだ？」

「地下にある王都と同レベルのゴブリンの巨大集落ですかね…」

なんでこんなもんがあるんだよ

しかも上には特に死体とか無かったから全員下で死んでるんだが…

全員下で死んでるって事は下だけで高ランク冒険者達が全滅するくらい厳しい

「…こんなもんどうしろと！？」

「我々が雑魚を散らして貴方が城に行ってもらうとかですかね…？」

…無理だよ！？

「いや、ゴブリンだけとはいえ俺は一人で城を落とせるほど強くねぇよ」

「いや、でもここで行かなきゃ将軍にどやされ…」

そうだった！

「俺もここで帰ったら冒険者続けられねぇわ…」

「…じゃあ行くしかないですね」

…そう、だね