君の要求
「改めまして秋月君。君私と会ったことあるよね?」
…僕は今彼女と放課後の教室にいる。呼び出されたのだ。
「いや、あれは…事故っていうかなんていうか…。」
そういうしかなかった。未遂とはいえど、知らず知らず同級生を盗撮しそうになったなんて。僕がうろたえていると彼女は、
「君がしたことをほかの人には言わないで上げる」
と言った。
親に言われるのか学校に言われるのかどっちかだと思っていた。僕はてっきり拍子抜けしちゃって、
「はあああ。」
と。でもそんなに彼女は甘くなかった。
「その代わり。私のお願い聞く!それが条件!」
「はあ。」
「はああああ?」
「さっきからはあはあ言わないの。笑笑」
彼女は僕がこんな反応をするのをまるで知っていたかのように笑い、楽しんでいる。
「いや、君が僕にそんなことを言うと思えなくてさ。」
と、そう言うと彼女は、
「いいの。とりあえず君は私の要求を聞くしかないんだよ?」
と笑いながら言った。
とんでもないことになったと思いながら、
「わかった。僕は具体的に何をすればいい?」
と彼女に聞くと、
「内容についてはたくさん考えてあるんだけど!今日はひじょー-に残念ながらもう学校を出なければならないのです。」
と言ったので、とりあえずその日は別れ、後日また会って話そうということになった。
家に着いてベッドに横になり、携帯を見ると新しく追加した連絡先からメッセージが届いていた。
「要求聞いてくれてありがとう。これからよろしくね。」と。
はあ。改めてとんでもないことになったなあ。と事の次第が大きすぎて他人事のように考えてしまう。これからどうなってしまうんだろうか、事が落ち着いたら理由をつけて別れよう。そう決心したけれど、どこかワクワクしている自分がいた。
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